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ユダヤ人大富豪の教え

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読書メモ
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LAに移住して起業したUCLA後輩が「影響を受けた本」としてセミナーで紹介していた「ユダヤ人大富豪の教え」(本田健)を読みました。

20歳の頃にアメリカを旅した時に出会った老人とひょんなことからしばらく一緒に暮らすこととなった著者が幾つかの試練を経て人生に大切なことを学んでいくストーリー。

本書は何度か目にしたことはありましたが、タイトルからしてお金持ちになるTipsをまとめたノウハウ本だと思って何となく敬遠していました。

彼が薦めるならばと思って実際に読んでみると、そんなTipsも折り込みつつも、より本質的な問い、即ち本当の自由人とは?なぜ人生の目的や目標を持つことが幸せに繋がるのか?といった今の僕にとって大切なメッセージが詰まった1冊でした。

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自由人と不自由人

自由人と不自由人ーー立場が幸せと豊かさを決める

「世の中には、二通りの人間しかいない。自由な人と不自由な人だ。

 不自由人は、経済的、社会的、精神的に誰かに依存している。だから、自分は誰なのか、自分が何をやりたいかも知らない。いや、考えようとしていないといったほうが正確だろう。そして、自分の人生の問題を両親、兄弟姉妹、結婚相手、政府、会社になんとかしてもらおうと考える。

 自由人は毎日、自由、チャンス、豊かさ、楽しさ、与える喜び、感謝に満ちて生活している。

 不自由人は、窮屈さ、徒労感、貧困、競争、嫉妬、イライラ、不満、怒りなどを感じながら生活している。」

p.43

まず、やりたいことを自由にやれるようになるためには、一定の経済的な自由を手に入れる必要があります。

ただし、本書のテーマである「自由人」のポイントは、単に経済的に自由(お金持ち)でも精神的に何かに囚われていたのでは本当の自由人ではない、ということ。

自由人と不自由人の人生の違い

「不自由人は、自分で自らを不自由にしている。夜や週末の時間を平日の仕事の憂さ晴らしに使ってしまっている。その貴重な時間を使って、自由な人間になる計画を練るなんてことは考えもしない。(中略)

 でも、実は、彼らが望んでいることなのだ。自分を変革する面倒な作業よりも、日々の生活に追われるほうがいいのだ。その証拠に、そこから出たいと真剣に思った連中は、自分に向き合い、人生を変えている。(中略)その人が真剣に人生を変えようと決めるまでは、何も変わらないのだよ

p.64

マトリックスにおける赤い薬を飲むか青い薬を飲むかの二択ではなく、今ならサラリーマンをやりながら副業にトライするような働き方で少しずつ自由度を高める生き方も可能になってきました。

本書では一見するとサラリーマンや自営業者を否定しているように見えますが、本質はそこではなく、そもそも何となく自由だと思っている今の暮らしがどこまで自由なのか?、もっと自由に幸せに暮らすために何を考えて行動するべきか?といった問いかけの大切さを気づかせてくれる点が重要だと思います。

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得意なことと好きなこと

「普通、人は『得意なこと』と『大好きなこと』を混同してしまう。(得意なことをするのは)アドレナリンが湧き出るようなワクワクした高揚感で、パッと見では、大好きなことをやっているように見える。そこに隠された動機は、『大物に見られたい』とか『人生を生きる躍動感を感じたい』というものだ。(中略)

 自分が特別になって、周りに認められることをやろうとすると、不幸への特急切符をもらったようなものだ。社会的には成功者に見える連中が突然自殺をするのもこのためだ。(中略)

『自分が好きなこと』は、もっと静かで、落ち着いたものなのだよ。周りの人間が評価してくれなくても、それをやるだけで楽しくてしょうがない、時間を忘れてしまう、そんなことだ。

p.72

このくだりは読んでいてハッとしました。仕事で感じる疾走感や高揚感は大切ですが、それだけでは長続きしない。

得意なことだけに囚われて働くことの限界やリスクを知ることも大切です。

好きなことを選択してきたつもりで、気がついたら得意なこと、期待されていることに振り回されていないか?特に長くサラリーマンをしていると、知らずのうちに「できること」や「やるべきこと」が中心になっていき、「やりたいこと」を諦めてしまいがち。これでは精神的に辛くなり、結果もなかなかついてきません。

「好きなこと」のもつパワー

「私は、常々一個人が世界に貢献できることは、ただ一つ、その人が生まれてきた使命に気づき、それを生きることだけだと思う。それには『自分の好きなことをやる』。ただそれだけでいいと思う。好きなことをやっていれば、その人は幸せになる。(中略)好きなことをしていると、必ず道は開ける。時間差はあるだろうけれど、お金もやってくるはずだ。」

「人生に迷ったとき、自分が何をすれば楽しいのか、胸に手を当てて聞きなさい。そして、自分のハートの声を、人生の羅針盤にするのだ。自分の中にあるドキドキ、ワクワクを感じなさい。

 何も聞こえないとしたら、それは君が忙しくしすぎているせいだ。君の心が日常の雑事でいっぱいになり、静かな声がかき消されている。そういうときは、心を静かにして、ハートの声に耳を傾けるときだ。ハートの声が、君の人生を導き、目の前の道を切り開いてくれるだろう

p.77

人生の大半の時間を費やす「働く時間」を単に生活の糧を得るためだけに自分の時間を切り売りするような生き方はもったいない。

より自由に生きるために、幸せを感じられるためには、「好きなこと」にもっと意識的に目を向けることが大切だと感じています。

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君の考えが人生で現実のものとなる

選択できる自由と責任

達成できたことと、達成できなかったことのリストをつくる

「いままで望んできて、達成できたことのリストを書きなさい。どんな細かいことでもかまわない。そして、今度は、達成できなかったことのリストを書きなさい。そのリストを眺めてごらん。おもしろいことに気づくはずだ」

「達成できたことのリストを見ると、君の望んだ現実が、確実に手に入ってきたことがわかるはずだ。それが、どれだけ君の人生を豊かにしてきたことか、かみしめてもらいたい。そして、今度は、達成できなかったことのリストを眺めてもらいたい。少し、まだ未練があるかもしれないが、大きい目で見れば、かなわなくても、君の人生の幸せ度は変わらなかったはずだ。また、そのときに実現しなかったほうが、かえって君のためになっていることを見てほしい」

p.185

実際に書き出してみると、これは真実だと思いました。特に「達成できなかったこと」リストに書かれたことは、よくよく考えてみると無意識のどこかで実は真に望んでいなかったことだったように思います。

いかなる経験も、それ自体では成功の原因でも失敗の原因でもない。(中略)自分の経験によって決定されるのではなく、経験に与える意味によって自らを決定するのである。(中略)人生とは誰かに与えられるものではなく、自ら選択するものであり、自分がどう生きるかを選ぶのは自分なのです。

嫌われる勇気 p.29

これについて、アドラー心理学ではズバリこう指摘しています。

人は、いろいろと不満はあったとしても、「このままのわたし」でいることのほうが楽であり、安心なのです。(中略)あなたが不幸なのは、過去や環境のせいではありません。ましてや能力が足りないのでもない。あなたには、ただ”勇気”が足りない。いうなれば「幸せになる勇気」が足りていないのです。

嫌われる勇気 p.52

また、ジェームス・アレンは1902年に出版した本の中でこの本質についてこう綴っています。

あなたは あなたがなろうとする人間になる
卑しい心は 失敗の原因を見つけるべく 環境に目をやるかもしれない
しかし 気高い心はそれをたしなめ つねに自由である

原因と結果の法則

自分の人生のハンドルは自分で握る。自分の立場は自分で選択できる。選択することに責任を責任を持つ。

究極的には、アウシュヴィッツに収容された人がどう生きたか?にも通じる真実だと思います。

それでもすばらしいのは、将来、つまり私自身の将来、そして私のまわりの事物と人間の将来が、ほんのわずかではあってもとにかく、瞬間ごとの自分の決断にかかっていることを知ることです。私の決断によって実現したこと、さっきいったように私が日常の中で「起こした」ことは、私が救い出すことによって現実のものになり、つゆと消えてしまわずにすんだものなのです。

それでも人生にイエスと言う

望まない幸せは実現しない

思考と感情の力を知る

人生は、『考えること』と『行動すること』の二つでできている。いままで考えてきたことと、思考の結果行動してきたことの集大成が君だ。(中略)

『君の考えが人生で現実のものとなる』ということは、真実だ。(中略)自分のなりたい姿を想像したり、やりたいことを想像することだ。驚くように現実になるだろう。(中略)

たいていの人は、人生で変化を起こすのが怖いものだ。だから、できるだけ、現状の生活にしがみつく。それが、自分の幸せにつながらないとわかっていてもね。それは、恐れを感じたくないからだよ。

p.93

日常的に話す言葉が運命をつくる

自分の話す言葉に注意しなさい。ふだん君が話していることは、君の未来をつくる。君が人の悪口、否定的なこと、ゴシップ話をすれば、君の将来はそういったネガティブなもので満たされる。君が、希望、ビジョン、豊かさの話をすれば、君の人生は喜びと豊かさに満たされることになるだろう。」

p.131

セルフイメージを高める

多くの人の最大の問題は、理想の状態をイメージしないことなんだ。君がやらなければならない最初のことは、自分の望む人生をイメージすることだ。そして、そのイメージをする際に出てくる不安、恐れ、イライラに立ち向かうことだ。多くの人はこの作業をしないから、いつまでたっても人生が変わらないまま不平不満をこぼしながら生きている。」

p.214

意識的であれ無意識であれ、自分が考えていること、ましてや口に出すこと、行動することは、そのまま将来の自分に直結しています。

そう思うと、自分の心の声に耳を澄ませて意識的に行動することがいかに大切か改めて気づきます。

自分の念願や宿願、つまり現在自分がああなりたい、こうなりたいと思っていることが、叶う叶わないということは、それが外にあるのでなくして、みんなあなたたちの命のなかに与えられた心の思う力、考える力のなかにあるんだ。

成功の実現(中村天風)

人生に棚ぼたはないのだから、自分が求める幸せの姿を少しでも具体的にイメージすること、そして人生の伴侶と共有してすり合わせることが幸せに繋がるんだろうな。

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起業のTips

本書には将来、自分で新しい事業を始めようとする時にきっと役立つTipsもたくさん登場します。

幾つかメモ。

舵取りが悪ければ、豪華客船でも沈む

成功するのに必要なのは、流れを読む力だ。物事の奥深くを見通す力だよ。社会の流れがどうなるのか、お金の流れがどこへ行こうとしているのかを予測することだ。」

p.85

自分で商売をやることは、つらく苦しい生き方になり得る

自分の身の程を知らずに拡大しつづけると、やがて破綻するときがくる。(中略)

自分自身と向き合い、いまの現状に足るを知ることだ。それは、家族や友情のサポートなしにはあり得ない。会社の成長よりも、人生の意味を考えるようにならなければ、足をすくわれてしまうのだよ。心から満足している人は、無理に会社を大きくしようとは考えないものだからね」

p.54

深い喜びが得られる「売れる」サイクル

ものやサービスを売る過程で、人に心から感謝され、応援され、深い喜びを得る。そしてそれにも増して、ご褒美として経済的豊かさも手に入れていくようになる。

p.117
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日頃の心構え

謙虚であることの大切さ。人と一緒に成し遂げることの意味。

「一人」で成功している人はいない

周りの人すべてに支えられて、いまの自分があるというふうに感謝をして毎日を過ごす人間と、『これは俺がやったから、これくらいの成功は当然だ』と傲慢に開き直る人間とでは、どれだけ将来の差が出てくるだろうか。(中略)

もし自分でできたとしても、できるだけ多くの人を巻き込んで助けてもらうことだ。そしてその人たちに感謝して喜んでもらうことが君の成功のスピードを速めるのだよ。

p.196

特に大事だなと感じたのが、批判されても自分の価値には関係がない、というスタンスについて。こう捉えられると気が楽になりますね。

周りからの批判、自己不信

批判は、単にその人が物事をどう考えているのかという意見表明にすぎないということだ。君の価値とはまったく関係ない。(中略)

批判の本質は、君が前に進むための向かい風なんだ。(中略)反対や批判があって、初めて自分が空に飛び立つ準備ができたかどうかがわかるのだ。

 君を批判する人を恨むのか、彼らに心から感謝できるのかで、君の人間の器が決まる。批判する人間は、往々にして、君の最大の理解者になるもんだよ。実際のところ、何の興味を示さなければ、君を批判することはない。(中略)

恩人にはね、三つのタイプがいることを知っておくといい。

 一人は君を心から応援してくれ、何かにつけて、ポジティブな言葉を投げかけてくれるタイプ。この人たちが恩人だとわかるのに、たいした知性は要らないだろう。

 そして二つめのタイプは、先ほど言った、マイナスの恩人だ。また、本当にやる気があるかどうかを試してくれるのも、この人たちだ。(中略)

 三つめのタイプは、君が気づかないところで君を応援してくている人たちだ。この人たちは、君の夢や情熱を察知し、君の知らないところで、君の活動を静かに支えてくれている。成功したければ、この三番目の恩人の存在に気づき、ひそかに感謝することだ」

p.249

そして、耳の痛いことを指摘してくれる人のありがたさ。この点については、田坂広志さんはこう表現しています。

自分の耳に痛いことを言う人との出会いにおいても、最初は、「何と不愉快なことを言う、無神経な人だ!」と腹を立て、心が騒ぐ自分がいても、「人生で出会う人、すべてに深い縁がある」と思い定めることができるならば、その心の静まりと深まりの中で、「この人と出会ったのは、誰も教えてくれない自分の未熟さを、この人が、教えてくれようとしているのではないか……」という声が聞こえてきます。それは、心の奥深くの「静かで賢明な自分」が語りかけてくる声です。

人生で起こること すべて良きこと(田坂広志)

そして、なかなかできないことですが、折に触れて思い出して心がけたいなあと思ったのが、こちらの一節。

人と接するときの心構え

「人とつき合うことでいちばん大切なことは、君が接するすべての人に豊かさと幸せがもたらされることを願うんだ。誰か新しい人に会うとしよう。そうすると君は心の中でつぶやくのだ。『この人と出会えて自分はなんて幸せなんだろう。この人のもとにたくさんの幸せとたくさんの豊かさが雪崩のようにやってきますように』と、祈りながら人に微笑みかける。

 そして、最後にその人に別れるときにも同じことを願う。これが人間関係のいちばん大切なことだ。」

p.138

実は何も特別なことではなくて、家族と接するときは無意識に感じていることです。同じように、日常生活で出会う人たちとも一期一会の気持ちで生きていけると素晴らしいなあと思います。

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