牛タンが好きです。
たまにスーパーで買って食べるのがささやかな贅沢でしたが、薄いし高い。
そんな中、コロナの引きこもり期間中に禁断のcostco(コストコ)牛タンブロックに手を出してしまったところ、これが最高に美味しくて毎月さばくように。
下処理からさばき方、焼き方まで、プロの技に学んだいいとこ取りな手順をメモしておきます。
牛タンブロックの下ごしらえ
牛タンをブロックで購入した場合に気になるのが下処理です。
と言っても、実際にやってみると大したことなし。このひと手間で美味しくお得に牛タンを頂けるのですから、牛タン好きの方はぜひトライすべし。
血抜き、臭み取り
何だか響きにインパクトのある工程ですが、何のことはなく、ただ牛タンブロックを水に浸すだけのこと。ネットで検索したところ、良さそうだったのが塩と重曹を加えた水に浸すという方法です。
巨大なコストコ牛タンブロックだと結構な量の重曹を使いますが、重曹は肉の臭みを取ったり柔らかくする効果はもちろん、マグカップの茶渋や鍋の焦げ付き等を落とすのにも重宝しますので、お得なパックを常備しておくのがお勧めです。
また、料理酒とみりんを加えると美味しさに深みが出るそう。
小さめブロック | コストコブロック | |
水 | 600cc | 1200cc |
塩 | 小さじ2杯 = 10ml | 大さじ1+1/3杯 = 20ml |
重曹 | 小さじ4杯 = 20ml | 大さじ2+2/3杯 = 40ml |
料理酒 | 大さじ1杯 | 大さじ2杯 |
みりん | 大さじ1杯 | 大さじ2杯 |
これにより、血抜きするのと同時に肉が柔らかくなり、臭みも抜けます。最低3時間、できれば1日ほど水に浸す、とのことでしたが、ひと晩かけて浸してみました。


あとはボールからブロック肉を取り出し、さっと水洗いしてキッチンペーパーで水気を取れば完了です。途中で水を交換する手間もなく、何と簡単、お手軽!
肉全体から赤みが取れていい感じで血抜きされました。臭みも気にならない程度に。そして、固く締まっていた肉塊全体が緩んで弾力を感じる柔らかさになります。


2枚に下ろすだけの簡単な捌き方
牛タンブロックは4つの部位(タン先、タン下、タン中、タン元)からなっています。
このうち、いわゆる厚切りで頂く部位はタン中、タン元、タン先。タン元はサシが入っていて最も美味しい部位です。
我が家ではコストコの牛タンブロックはタン元からタン先まで厚切りスライスして塩焼きで頂いてます。タン下はスジが多いので取り分けて、トマト煮込みやシチュー等の煮込み料理等に使うのが良いでしょう。

Youtubeの様々な動画で捌き方を調べましたが、これが一番手軽で分かりやすかったです。
通算10回もやって慣れてくると、何も観ずに包丁一本で5分ほどで二枚おろしから血管除去までできるように。
スジを除去しないので超手軽で、かつ無駄のないさばき方でお勧めです。
包丁でタン下部分をするすると切り剥がして、ブロックを2つに分けるだけ。
動画で紹介されている通り、ここはスジがあまりなく、はじめから切れ目があるため、簡単に2枚におろせます。

あとはタン元との境目にある血管2本を先の尖った包丁で切り出せば下処理は完了です。
この血管を残すと生臭い原因になるそうなので、しっかり除去しておきましょう。


初めて捌いたときは要領がつかめず、別のサイトで紹介されていた3枚におろす方法にトライした結果、一時間ほどスジと格闘する羽目となりました。
でも、2回目以降は上述の動画のようにシンプルに二枚おろし&血管除去のみとしていますが、手間がかからず無駄もなく全く問題なしです。
厚切りスライス
塩焼きなどで頂く場合は、1cmほどの厚切りでタン元からスライスしていきます。切った断面を見ると、タン元は断面が大きくサシがたくさん入っていて白っぽく見えるのに対して、タン先の方は赤みが中心なのが分かりますね。

塩焼きに向けては、スライスしたついでに、両面に包丁で切り込みを入れておきます。こうすることで味が染み込みやすくなり、より美味しく頂けます。


タン下はスジが多いですが、2-3cm角くらいにぶつ切りにして煮込み料理にすると美味しく頂けます。
コストコの1kgブロックだと、おおよそ200g少々のタン下が切り出されるので、以下でレシピを紹介している「タン下のトマト煮込み」が簡単でお勧めです!

フライパンで美味しく焼く方法
1cmほどに厚切りしたタン元とタン中、タン先は、シンプルに塩焼きで頂くのがベスト。

- 両面にあら塩を多めに振りかける
- 冷蔵庫で2-3時間寝かせると味がより安定
- できればラップで包んで1-2日冷蔵庫で寝かせるとより熟成される
- 焼く前にタンを常温に戻しておく
- 旨み成分である肉汁が蒸発しにくい
- フライパンに和牛の牛脂を薄くひく(海外産の牛タンに和牛の香りづけ)
- 牛タンを載せたら基本動かさない
- 強火で1-2分焼いて、周りが白っぽくなり表面に艶が出て肉汁が浮いてきたら裏返して30秒
- ふたをして2-3分予熱で寝かす(柔らかくなる)
- 外がカリッと中はピンク色くらい
- レモン汁をかけて頂く
これだけの簡単レシピですが、プリップリで柔らかくも噛みごたえのある、これぞ牛タン!の味でした。





タン下のトマト煮
スジの多いタン下は細かく切って、トマト煮にしてみました。
- 牛タン 200g
- トマト缶 (カット) 400g
- 玉ねぎ 1/2個
- コンソメ顆粒 小さじ2
- 塩 少々
- すりおろしニンニク 小さじ1
- オリーブオイル 小さじ1
- 沸騰したお湯に牛タンを入れて、30分中火で煮込んでアクを取る。
- 玉ねぎを薄切り。
- フライパンでオリーブオイルを熱し、2を中火で炒め、しんなりしてきたら、トマト缶、すりおろしニンニクを加えて中火で煮る。
- 1をザルに上げて、さっと水洗いする。
- 3に1を加え、ひと煮立ちしたら、コンソメ顆粒と塩を加える。
- 弱火で5分煮込み、火から下ろして完成。


これも簡単なレシピですが、牛タンのスジが柔らかく煮込まれて絶品です。
1kg弱のコストコ牛タンブロックから、おおよそ200g強のタン下が発生するので、我が家ではたいてい厚切り塩焼きとこのトマト煮込みをセットで手軽に美味しく頂くのが定番になっています。
もう一品、ぜひ試して頂きたいのは、こちらも定番の牛タンシチュー。タン下だけでも柔らかくてほろほろです!