人口当たりのコロナ死者数から見える傾向について5回目の定点観測です。
先週、日本では1週間あたりの死者数の増加率が1.5倍から2.1倍へと増加傾向にあり非常に危惧していましたが、今週は1.6倍で増加率は減少傾向となりました。
とは言え、死亡者数は1週間で1.5倍を超える水準で増加しており、依然としてギリギリの状態が続いていると思われます。
2020/4/26時点の人口100万人当たりのコロナ死者数
青が4/26時点の数値、黄色は4/19時点の数値です。
4/26時点のワースト20は以下の通り。
国名 | 100万人当たりの死者数 |
San Marino | 1,208 |
Belgium | 612 |
Andorra | 518 |
Spain | 490 |
Italy | 436 |
France | 346 |
UK | 299 |
Sint Maarten | 280 |
Netherlands | 261 |
Sweden | 217 |
Ireland | 215 |
Isle of Man | 212 |
Channel Islands | 201 |
Montserrat | 200 |
Switzerland | 186 |
USA | 164 |
Luxembourg | 136 |
Monaco | 102 |
Portugal | 89 |
Bermuda | 80 |
大きな傾向は変わらず、欧米諸国とカリブ海の小さな島国が中心に並んでいる状況です。
死者数の増加が顕著な国々
次に、先週の日曜日から今日にかけての死者数の増加率をグラフ化してみました。
赤い棒グラフで示した国々(ロシア、ブラジル、日本、インド)は人口が多く、世界への影響も大きい国々ですが、先週から引き続いて前週と比較して死者数が1.5倍~2倍前後も増加しており、特に今後の動向が気になります。
また、1週間で死者数の増加率が2倍を超えている国々は以下のとおり。
国名 | 死者数の増加率 |
Kuwait | 3.3 |
Isle of Man | 3.0 |
Gabon | 3.0 |
Somalia | 2.6 |
Latvia | 2.4 |
Russia | 2.4 |
Senegal | 2.3 |
Finland | 2.1 |
UAE | 2.1 |
Peru | 2.0 |
Mexico | 2.0 |
Tanzania | 2.0 |
Haiti | 2.0 |
Libya | 2.0 |
- 中東:クウェート、UAE
- アフリカ:ガボン、ソマリア、セネガル、タンザニア、リビア
- 東欧:ラトビア、ロシア
- 中南米:ペルー、メキシコ、ハイチ
- マン島(イギリスとアイルランドの間に浮かぶ人口8万人程度の島国)
- フィンランド
うち、クウェート、マン島、ソマリア、ロシアは先週時点での死者の増加率も2.5倍を超えており、依然として大変な状況にあると考えられます。
特に死者数の増加スピードが高まっている国々
さらに、4/12-19週と4/19-26週の死者の増加率を比較してみます。
国名 | 増加率の変化 |
Gabon | 300% |
Libya | 200% |
Kyrgyzstan | 160% |
Senegal | 156% |
Guadeloupe | 150% |
Saint Martin | 150% |
Zambia | 150% |
Syria | 150% |
Malawi | 150% |
Latvia | 144% |
Haiti | 133% |
Sint Maarten | 133% |
Guyana | 133% |
Malta | 133% |
Zimbabwe | 133% |
Uzbekistan | 128% |
Uruguay | 121% |
Tanzania | 120% |
Finland | 115% |
Costa Rica | 113% |
この表を見ると、4/19-26週の死者の増加率がその前の1週間よりも更に悪化している国々がわかります。
アフリカや中南米の小国や発展途上国が目立つ中で、先週にランクインしていた大国ロシア、アジアのシンガポール、マレーシア、インドネシアといった国々が圏外となりました。
日本は先週の時点では死者の増加率が137%と悪化しており、この傾向に留意していましたが、今週の時点では79%と減少に転じました(2.1倍から1.6倍)。
東京都での日々の感染者数は100~200人を行ったり来たりしている状況で、引き続きギリギリのラインで持ちこたえているように見えます。これがNY等のように一気に500人、1,000人を超えるような事態に至らないよう祈る気持ちで毎夕の統計値を確認しています。
医療崩壊を招くことなく、このまま感染の急拡大を何とか抑制していけるよう、一人ひとりできることをしっかり積み上げていきましょう。