なかなかにダイナミックなタイトルですが、4/26の22時から人類学者の竹倉史人氏をゲストに招いてこんなテーマで1時間半、生放送されたホニャララLIVE003が面白かった!
竹倉氏が4つの大学で足掛け17年間も学生をしていた話から始まり、なぜ輪廻転生の研究から土偶の研究に至ったのか、人間と生命の関係、今回のコロナ危機は人類の長い歴史から見てどんな意味を持つのか…興味深いテーマでトークがめくるめく展開。
トークのキーワード
時に、星読み係のyujiさんとのインタラクションや井出さんの問いかけ、長澤さんのリアクションに刺激されながら、普遍的かつ今だからこそ考えたい様々なテーマについて竹倉氏が分かりやすく解説してきます。
生放送中に話の流れに沿ってリアルタイムでキーワードが表示されましたが、ピンポイントかつコンパクトな表現でまとめられていて秀逸でした。
そのキーワードをベースに、この日の竹倉氏のトークを抜粋するとこんな感じ。1つでも気になるフレーズがあったら視聴してみることをお勧めします。
- 人間と生命の関係性
- 地球や人類について考える時代
- 生命の中に肉体がある
- 人間は「生命」に所有されている
- 輪廻転生
- 前世の記憶を持っている人たち
- 転生先はひとつではなく幾つかの個体へ
- 個人主義とVR
- 「自分は個体」という幻想
- 私たちが見ているものがまさにVR、仮想
- 教育が目指すべき方向性
- 誰でも「天才」になれる
- 見えるより、感じることが遥かに大事
- 「感じなくさせる」現代の教育
COVID-19がもたらしている今の危機を踏まえて、この後の世界はどんな方向に向かうべきか。
- コロナ後の世界観
- 人類は「覚醒」していく方向へ向かう
- 当たり前が当たり前じゃなくなる今
- 分断された個から統合の世界観へ
- 倫理観が問われていく時代
- 「生命」を主体にして捉える
- 「私」という感覚も人類史で発明されたもの
- 個人主義・資本主義の限界
- 所有の概念がある婚姻関係は変わる
- 家族ごとのユニットはリソースの無駄遣い
- 失敗の理由は「嫉妬」「所有欲」
- 人々は恋愛の記号を使っているだけ
- 恋という概念を人類は卒業してもいい
- 縄文人の世界観
- 縄文人には「安心」の質が違う
- 縄文時代、死は身近なものとして緊張感があった
- そもそも所有とはコンセプチュアルなもの
- 形のあるものには必ず精霊が宿る
- 大地が動く=生きている
- 土器の多くは女性が作っている!?
輪廻転生
輪廻転生に興味がある方はこちらを必読です。
土偶の正体
遂に明らかにされた土偶の正体とは?
番組の補足説明
竹倉史人/https://twitter.com/fumitovsky
「神話人類学研究所」https://www.mal.tokyo/
プロフィール(HPより抜粋)
人類学者。独立研究者(independent scholar)として講演、執筆、大学講師として活動中。
「人類の精神史に興味がある。ヒトの認知の特性と歴史的変遷を、古今東西の神話や儀礼にみられるアナロジー(神話的思考)を軸にして明らかにしていきたい。
土偶研究は2017年より開始。2019年現在、人類学的手法を駆使して主たる土偶のモチーフの同定作業は遂行したため、現在は土偶の実際の用法についての分析作業を行っている。アイヌ神話なども手掛かりに縄文人の精神世界の具体的かつ実証的な復元を目標とする。
自らの研究によって土偶が植物霊をかたどったものであることが判明したため、人類史において宗教的儀礼が発生した重要な契機として、植物霊祭祀の実践があったと考えている。それゆえフレイザー『金枝篇』(1890)以降の農耕儀礼研究に注目している」
東京大学文学部宗教学・宗教史学科卒業
東京工業大学大学院社会理工学研究科価値システム専攻博士課程満期退学(現在博士論文提出準備中)
著書に『輪廻転生 〈私〉をつなぐ生まれ変わりの物語』
(講談社現代新書, 2015)
著書の内容紹介(HP「講談社BOOK倶楽部」より抜粋)
日本人の4割以上が「生まれ変わりはある」と思っている――世界中の人々が、少なくとも2500年以上も前から様々な形で信じてきた「生まれ変わり」の思想について、正面から考えた類を見ない入門書が登場。新進気鋭の研究者が、輪廻転生の観念を、「再生型」「輪廻型」「リインカネーション型」の3つに分けて、丹念にわかりやすくひもとく。
「輪廻転生」、「生まれ変わり」を、あなたは信じますか?
NHK放送文化研究所による調査では、4割以上の日本人が「生まれ変わりはある」と答えています。本書は、「輪廻転生」の思想について、「再生型」、「輪廻型」、「リインカーネーション型」という3種類に分け、それらがどんな思想を含み、日本や世界各地どんな発展・変貌を遂げてきたのかをやさしく語る、画期的な新書です。
その過程では、愛する故人を自分の子どもとして再生させようとする風習、霊との対話でつくられた書物、前世の記憶を語る子どもたちの具体的事例、前世の記憶を検証する大学の研究所と、それに巨額の私財を投じた世界的発明家・・・・・・など、驚きの事実が次々出てくるでしょう。
<本書の内容>
プロローグ 世界中に広がる「輪廻転生」
第1章 再生型――自然のなかを循環する人間
第2章 輪廻型――古代インド起源の流転の思想
第3章 リインカネーション型――近代版生まれ変わり思想
第4章 前世を記憶している子どもたち
第5章 日本における生まれ変わり
エピローグ 輪廻転生とスピリチュアリティ文化のゆくえ
<著者プロフィール>
たけくら・ふみと/1976年、東京生まれ。東京大学文学部思想文化学科を卒業後、予備校講師などを経て、東京工業大学大学院修士課程に入学。現在、同大学院社会理工学研究科博士課程に在籍中。専門は宗教人類学。日本社会を中心に現代宗教やスピリチュアリティについて考察。とりわけ「輪廻転生」と呼ばれる死生観に注目している。
<著者からのメッセージ>
人は死んだらどうなるのか。なぜわれわれは死ななければならないのか。こうした問いはつねに人類とともにありました。本書は「輪廻転生」というテーマを切り口に、これまで人類がどのように「死」と向き合い、受容してきたかについてご紹介します。そこには「死と再生」をめぐる、じつに多彩な生まれ変わりの物語が展開しています。
とりわけ興味深いのは、そうした物語が単なる「空想」や「慰め」ではなく、それどころかある種の〈現実〉とよびうる次元を形成し、それが人類に少なからぬ影響を与え続けてきたという歴史的事実です。ここに「輪廻転生」のスリリングな魅力があるのだと思っています。
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