いま思うことグローバル

コロナウィルスは神の見えざる手による警鐘か

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コロナが武漢で発生した初期のころは「中国大変だね」とか「アジア人、コロナ伝染させるな」なんて言われていましたが、この1ヶ月ほどの間にWHOが「パンデミックの震源地はヨーロッパ」と声明を出したり、トランプ大統領が非常事態宣言を出したり、と欧米も含めた世界的な広がりを見せているコロナウイルス。

戦争や自然災害は世界の各所で発生していても1つひとつは散発的、局所的ですが、今回の事象は同時に全世界を巻き込んだ大騒動に発展しています。

世界同時株安はしょせんは経済に限った事象であるのに対して、コロナウイルスは人間の命に関わる最重要課題です。

この様子を見ていると、こうでもしないと気が付かない人類に対して「いちど立ち止まって大切なことを考えよう」と神の見えざる手が警鐘を鳴らしているように感じます。

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世界共通の新たな敵の出現

SF映画ではないけれど、今は世界共通の新たな見えない敵に対して各国が連携して立ち向かう時。共通の敵が現れたことで政府はまず自国民を守ることに注力しながら必然的に他国とも協調していく大きな流れが生まれています。

コロナウィルスの脅威を前にして人間同士が他国と戦争している余裕はありません。

麻生副総理兼財務大臣は10日の参議院の財政金融委員会で、新型コロナウイルスの感染拡大に対するG20=主要20か国の対応について、「アメリカを含めてまとまりつつある」と述べ、各国が協調した対応を取る可能性もあるという認識を示しました。

2020/3/10 NHK

IMF、新型コロナ対策で「各国が協調を」 救済基金拡充も要請

国際通貨基金(IMF)は12日、加盟国に対し、協調的な新型コロナウイルス対策を要請した。また急速な感染拡大に対応する貧困国支援に向けた寄付も呼び掛けた。

2020/3/13 ロイター

 アメリカが残した空白は、まだ他の誰にも埋められていない。むしろ、正反対だ。今や外国人嫌悪と孤立主義と不信が、ほとんどの国際システムの特徴となっている。信頼とグローバルな団結抜きでは、新型コロナウイルスの大流行は止められないし、将来、この種の大流行に繰り返し見舞われる可能性が高い。だが、あらゆる危機は好機でもある。目下の大流行が、グローバルな不和によってもたらされた深刻な危機に人類が気づく助けとなることを願いたい。

 顕著な例を1つ挙げよう。新型コロナウイルスの大流行は、EU(欧州連合)が近年失った各国民の支持を再び獲得するまたとない機会になりうる。EUのなかでも比較的恵まれている国々が、大きな被害が出ている国々に、資金や機器や医療従事者を迅速かつ惜しみなく送り込めば、どれだけ多くの演説をもってしても望めないほど効果的に、ヨーロッパの理想の価値を立証できるだろう。逆に、もし各国がそれぞれ自力で対処せざるをえなければ、今の大流行はヨーロッパ統合の終焉を告げる弔いの鐘を鳴らすことになりかねない。

 今回の危機の現段階では、決定的な戦いは人類そのものの中で起こる。もしこの感染症の大流行が人間の間の不和と不信を募らせるなら、それはこのウイルスにとって最大の勝利となるだろう。人間どうしが争えば、ウイルスは倍増する。対照的に、もしこの大流行からより緊密な国際協力が生じれば、それは新型コロナウイルスに対する勝利だけではなく、将来現れるあらゆる病原体に対しての勝利ともなることだろう。

2020年3月15日 ユヴァル・ノア・ハラリ氏 アメリカTIME誌「人類はコロナウイルスといかに闘うべきか――今こそグローバルな信頼と団結を(原題:In the Battle Against Coronavirus, Humanity Lacks Leadership)
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大気汚染が劇的に減少

経済活動の停滞により、深刻な大気汚染が短期間に解消しています。

アメリカ航空宇宙局(NASA)は1日、中国で汚染レベルが大きく下がっていることを示す人工衛星写真を公開し、新型コロナウイルス流行による経済活動の停滞が「少なくとも原因の一部」だろうとの見解を示した。

NASAが公開した写真では、中国では今年に入って以降、自動車や工場から排出され、大気汚染の原因となっている二酸化窒素(NO2)が減っていることが分かる。

中国では新型ウイルスによる感染症(COVID-19)を封じ込めるため、製造業を中心に休業が相次ぎ、工場の稼動が大きく減っている。

BBCニュース
衛星が観測した二酸化窒素濃度。左は2020/1、右は2020/2のグラフ。(NASA)

資本主義の根底にある「右肩上がりで成長することが正義」という論理だけでは持続可能な社会は実現できないことにようやくみな気づき始めましたが、SDGsの掛け声だけでは現実はほとんど変わりません。

東日本大震災で原発の限界を知り、代替エネルギーの研究・適用が進んだように、今回の体験から改めて経済成長至上主義の行き過ぎに気づいて大きく舵を切る契機になればという見えざる期待を感じます。

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新しい働き方の広がり

「湿度が高い不快な猛暑日でもネクタイとスーツで仕事をする」というのは少し前までの日本では当たり前のことでした。罰ゲームのような同調圧力から逃れられずに縛られていた我々でしたが、東日本大震災での節電がきっかけでノーネクタイやクールビズが一気に広がりました。

同様に、テクノロジーは実用レベルまで進んでいても普及が進んでいないテレワーク、オンライン会議でしたが、今回の災害が契機となって「必要に迫られて使わざるを得ない」ケースが数多く見受けられます。

もちろん対面でのコミュニケーションと比較すると得られる情報量が圧倒的に限定されるため、オンライン会議は目的に応じて使う必要がありますが、実際にはかなりの打ち合わせやセミナー等はオンライン会議でも実用レベルで活用できます。

来月のG7財務相会議、テレビ会議方式で開催=米財務省

米財務省は12日、新型コロナウイルスの感染拡大に対応し、来月にペンシルベニア州フィラデルフィアで開く予定の7カ国(G7)財務相・中央銀行総裁会議をテレビ会議方式で開催すると発表した。

2020/3/13 ロイター

例えば、就活中の慶應義塾大学の学生向けに毎年開催しているOB/OG社員による会社紹介イベントを今年はYoutubeのオンライン配信により実施しました。

初めての試みで試行錯誤しながらでしたが、結果的には100人を超える規模の学生が自宅等から参加してくれて、リアルタイムチャットで受け付けた質問をパネラーが答えるといったこともiPhone1台だけで問題なく実現できました。

また、地方のお客様との定例会議をTV会議で実施し、必ずしも毎回多大な時間と費用をかけて出張しなくても何とかなる手応えを感じることも。

今回の体験によって「定時に会社に出社して顔を見せることが仕事」という不文律が崩れて、必要に応じてITツールを活用しながらより柔軟な働き方を選択することで生産性を向上させ、またより人間らしい働き方を実現するという方向に社会が一気に傾くきっかけになると期待しています。

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増えた家族との時間

経済的に大きなダメージを受け、先の見えない不安からくるストレスも大きくなってきている日々ですが、こんな時こそネガティブなことだけでなく、ここから見えるポジティブな面にも目を向けたいと思っています。

テレワークの機会が増え、また子どもたちが自宅待機となった結果、家族と過ごす時間は一時的に増えています。季節外れの雪が舞った今日、いつもであれば学校やテニスやピラティス等でそれぞれが忙しく外出している土曜の午後ですが、珍しく家族4人が揃いました。

3時のおやつを食べながら「久しぶりに皆でボードゲームでもやるか」ということで、しばし「カタンの開拓者たち」を囲んでワイワイと過ごしました。

息子の圧勝

目の前の忙しさに追われ、短期的な利潤の追求に目がくらんだ挙げ句、大切な家族や自然環境を犠牲にしていないか。今の働き方、経済活動の方向性は持続可能なのか。

今回のウイルスが世界のサプライチェーンの中心であり、大気汚染の深刻な中国から始まったというのもシンボリックなシナリオに感じます。

Something greatの見えざる意志が全世界に向けて重要なメッセージを問いかけているような気がしてなりません。

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