いま思うこと

各国の人口当たりコロナ死者数から考える(2020/4/12)

スポンサーリンク
いま思うこと
スポンサーリンク

人口当たりのコロナ死者数から見える傾向について3回目の定点観測です。

先週と比較することで感染のペースが収束してきた国々とこれから増加しそうな国々が見えてきました。

スポンサーリンク
スポンサーリンク

2020/4/12時点の人口100万人当たりのコロナ死者数

青が4/12時点の数値、黄色は4/5時点の数値です。

人口100万人当たりのコロナ死者数

4/12時点のワースト20は以下の通り。

国名100万人当たりの死者数 
San Marino1,032
Spain355
Andorra337
Italy322
Belgium289
France212
Sint Maarten210
Netherlands154
UK145
Switzerland120
Luxembourg99
Sweden88
Ireland65
Bermuda64
USA62
Iran52
Channel Islands52
Saint Martin52
Portugal46
Denmark45
人口100万人当たりの死者数のワースト20

大きな傾向は変わらずですが、先週時点では死者が報告されていなかったのに今週になって一気に人口100万人当たりの死者数が10人以上報告された国々は次の通り。

全てカリブ海に浮かぶイギリス系の島国です。

  • バルミューダ諸島(人口6万人ほど、カリブ海のイギリス領)
  • タークス・カイコス諸島(人口3万人ほど、カリブ海のイギリス領)
  • アンティグア・バーブーダ(人口8万人ほど、カリブ海のイギリス連邦加盟国)
  • バルバドス(人口25万人ほど、カリブ海のイギリス連邦加盟国)

カリブ海で感染が急拡大しているのがわかります。

スポンサーリンク

コロナの被害が甚大な国の傾向

次に、コロナの被害が甚大な国(人口100万人当たり死者が10人以上の国)のうち、先週との死者数の増加率でリスト化してみました。

未だに人口当たりの死者数が1週間で2倍以上も増加しているのは、ハンガリー、カナダ、ベルギー、イスラエル、アメリカ、スウェーデン、アイルランド、イギリスといった国々。

これらの国々ではまだ被害が拡大しており、引き続き厳戒態勢が続くと思われます。

国名A. 100万人当たりの
死者数 (4/17) 
B. 100万人当たりの
死者数 (4/5)
増加率
(A/B)
Hungary1033.3
Canada1762.8
Belgium2891112.6
Israel1252.4
USA62262.4
Sweden88372.4
Ireland65282.3
UK145642.3
Sint Maarten210932.3
Slovenia24112.2
Turkey1362.2
Germany34172.0
Isle of Man24122.0
Norway22112.0
Bahamas20102.0
North Macedonia1682.0
Martinique1682.0
Czechia1262.0
Luxembourg99502.0
Iceland23121.9
Romania1581.9
Bosnia and Herzegovina1161.8
France2121161.8
Ecuador18101.8
Estonia18101.8
Channel Islands52291.8
Portugal46261.8
Austria37211.8
Dominican Republic1271.7
Panama18111.6
Denmark45281.6
Netherlands154961.6
Mayotte1171.6
Switzerland120771.6
Andorra3372201.5
Spain3552561.4
Iran52411.3
Italy3222541.3
Guadeloupe20171.2
San Marino10329431.1
Liechtenstein26261.0
Monaco25251.0
Cayman Islands15151.0
人口100万人当たり死者が10人以上の国の死者数の増加率(4/5-12)

一方、人口あたりの死者数が100人を超えている国で、ここ1週間の死者の増加率が1.5倍未満なのは、スペイン、イタリア、サンマリノでした。

スポンサーリンク

今後、コロナ被害が拡大する恐れがある国

人口100万人当たり死者が10人未満の国のうち、先週との死者数の増加率を一覧にした結果は以下のとおり。

国名A. 100万人当たりの
死者数 (4/17) 
B. 100万人当たりの
死者数 (4/5)
増加率
(A/B)
Liberia1.00.25.0
Ivory Coast0.20.05.0
Chile4.01.04.0
Mexico2.00.54.0
Belarus2.00.54.0
Latvia2.00.54.0
New Zealand0.80.24.0
Kyrgyzstan0.80.24.0
Bangladesh0.20.14.0
Colombia2.00.63.3
Mali0.30.13.0
Ukraine2.00.72.9
India0.20.12.9
Georgia0.80.32.7
Brazil5.02.02.5
Peru5.02.02.5
Poland5.02.02.5
Afghanistan0.50.22.5
Nigeria0.10.02.5
Moldova7.03.02.3
Russia0.70.32.3
Congo0.90.42.3
Bolivia2.00.92.2
Lithuania8.04.02.0
Algeria6.03.02.0
Bahrain4.02.02.0
Armenia4.02.02.0
Bulgaria4.02.02.0
Australia2.01.02.0
Philippines2.01.02.0
UAE2.01.02.0
Qatar2.01.02.0
Argentina2.01.02.0
Iraq2.01.02.0
Uruguay2.01.02.0
Azerbaijan1.00.52.0
Cuba1.00.52.0
Paraguay0.80.42.0
Pakistan0.40.22.0
South Africa0.40.22.0
Slovakia0.40.22.0
Palestine0.40.22.0
Guatemala0.20.12.0
Finland9.05.01.8
El Salvador0.90.51.8
Croatia5.03.01.7
Thailand0.50.31.7
Kazakhstan0.50.31.7
Cameroon0.50.31.7
Niger0.50.31.7
Uzbekistan0.10.11.7
Serbia8.05.01.6
Guyana8.05.01.6
Trinidad and Tobago6.04.01.5
Morocco3.02.01.5
Lebanon3.02.01.5
Honduras3.02.01.5
Japan0.90.61.5
Costa Rica0.60.41.5
Oman0.60.41.5
Ghana0.30.21.5
Taiwan0.30.21.5
Sri Lanka0.30.21.5
Venezuela0.30.21.5
Indonesia1.00.71.4
Egypt1.00.71.4
Kenya0.10.11.4
Jordan0.70.51.4
S. Korea4.03.01.3
Greece9.07.01.3
Saudi Arabia1.00.81.3
Burkina Faso1.00.81.3
Mauritius7.06.01.2
Cyprus8.07.01.1
Albania8.07.01.1
Montenegro3.03.01.0
China2.02.01.0
Malaysia2.02.01.0
Tunisia2.02.01.0
Brunei2.02.01.0
Singapore1.01.01.0
Jamaica1.01.01.0
Hong Kong0.50.51.0
Togo0.40.41.0
Gabon0.40.41.0
Kuwait0.20.21.0
DRC0.20.21.0
Senegal0.10.11.0
人口100万人当たり死者が10人未満の国の死者数の増加率(4/5-12)

先週まではまだ死者数が少なかったものの、ここ1週間で感染が急拡大している(死者数が2.5倍以上に増加した国)と思われるのは、以下の国々。

  • アフリカ:リベリア、コートジボワール(Ivory Coast)、マリ、ナイジェリア
  • 南米:チリ、メキシコ、コロンビア、ブラジル、ペルー
  • 東欧:ベラルーシ、ラトビア、ウクライナ、ジョージア、ポーランド
  • アジア:キルギス、バングラデシュ、インド、アフガニスタン
  • ニュージーランド

今までは北米と西ヨーロッパの国々が中心でしたが、徐々にアフリカや南米、東欧、アジアの国々にも広がってきていることがわかります。

また、先週時点では「比較的先進国で増加率が一桁の国は、オーストラリア、台湾、日本、韓国」でしたが、この1週間の増加率では、オーストラリアが2.0倍、台湾と日本が1.5倍、韓国が1.3倍となっています。

スポンサーリンク

日本の現状と今後

先週の4/5時点では日本ではまだ緊急事態宣言が発令されていませんでしたが、4/7に遂に宣言が出されました。

国の宣言の対象となったのは、東京、神奈川、埼玉、千葉、大阪、兵庫、福岡の7つ。愛知県も独自に宣言を出したとのことです。

上記のデータを見る限り、日本では引き続きギリギリのラインで感染者の拡大が踏みとどまっているように見えます。

しかし、心配なのは日本政府の対応が非常に中途半端である点。一気呵成にやらないと効果が限定的になり、結果的に「人の接触を8割削減」という目標を達成できない恐れがあります。

当たり前ですが、感染を終息させたいのであれば、1カ月の自粛を一斉にやるべきです。アメリカやフランスのように、結果として全国で5割の人が職場に行かないというレベルまで徹底してやるからこそ、8割の接触が減るという効果が出るのです。

 それに対して日本は、「まずはイベントを自粛してください。レストランで花見をするのは構いません」という要請から始まり、次に「夜の繁華街は自粛してください」となり、今は「不要不急の外出は自粛してください。ただし、ホームセンターと理容に関しては意見が分かれています」といった議論が、だらだらと続いています。バカを見るのは、最初に自粛を始めた人たちです。

ダイヤモンド・オンライン「「緊急事態宣言明け」に事態が好転している可能性が低い理由(鈴木貴博)」

欧米諸国のような医療崩壊含めた大変な状況は目前まで来ていると思います。今こそ徹底的にやるべきことをやり、最悪の事態を何とか回避することに専念するときでしょう。

 冒頭で「マスクをしていない人が多い」ということに触れましたが、要するに「意識の低い人は行動を変えない」というのが現実なのです。意識の高い人たちが自主的に自宅に籠もっていても、これでは自粛期間は長引く一方です。また、意識の高い社員は「もう職場など行きたくない」と考えますが、意識の低い経営者はリモートワークへの切り替えを検討しません。だから前述のように、職場に出勤する人は「-9%」に近い数字から動かないのです。

 こうした状況が続くと、おそらくその先にあるのは「先行自粛組」の大量倒産です。それは、観光、芸能イベント、ホテル・バス、旅行、イベントホール、プロスポーツといった業種で起きていく可能性があり、そこに関わる無数の個人が職を失います。夜の歓楽ビジネスも、当然なくなります。

ダイヤモンド・オンライン「「緊急事態宣言明け」に事態が好転している可能性が低い理由(鈴木貴博)」

医療崩壊を招くことなく、このまま感染の急拡大を何とか抑制していけるよう、一人ひとりできることをしっかり積み上げていきましょう。

スポンサーリンク
スポンサーリンク
シェアする
takekuraをフォローする
ロサンゼルスMBA生活とその後