読書メモ

SF小説「三体」がとてつもなく面白い!

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前から気になりつつも、「分厚い単行本が3巻」とか「中国人が書いた中国を舞台にしたSF?」くらいの認識で手が出ていなかった「三体」ですが、何人かの友人が勧めているのを聞いて、とりあえず第1巻を読んでみたところ、あっという間にハマってしまい、気がついたら3冊を一気読みでした。

冒頭こそ中国の文化大革命から始まり、「一体この後にどうSFに展開するのかな?」といった感じでしたが、その後は舞台は世界中に広がり、欧米人や日本人も登場して物語が急速に拡大していきます。

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オバマ大統領やザッカーバーグも愛読

監訳者の大森氏によると、あのオバマ大統領も愛読していたそうです。

オバマはつらいホワイトハウスの日々に耐えるために『三体』を読んでいたという話をしてますね。議会がぜんぜんいうことを聞いてくれなくて、でも『三体』を読むとそんなのは大したことないという気持ちになれると(笑)。

早川書房「現代中国最大のヒット作、『三体』が日本でも爆売れした理由。大森望×藤井太洋トークイベント採録」より

大森さんが上で話していた内容は、恐らく以下の記事で紹介されている、ニューヨーク・タイムズ主任書評家の角谷美智子氏によるインタビューだと思います。

そして、ザッカーバーグもハマった模様。

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三体

物理学者の父を文化大革命で惨殺され、人類に絶望した中国人エリート科学者・葉文潔(イエ・ウェンジエ)。失意の日々を過ごす彼女は、ある日、巨大パラボラアンテナを備える謎めいた軍事基地にスカウトされる。

そこでは、人類の運命を左右するかもしれないプロジェクトが、極秘裏に進行していた。数十年後。ナノテク素材の研究者・汪森(ワン・ミャオ)は、ある会議に招集され、世界的な科学者が次々に自殺している事実を告げられる。その陰に見え隠れする学術団体“科学フロンティア”への潜入を引き受けた彼を、科学的にありえない怪現象“ゴースト・カウントダウン”が襲う。そして汪森が入り込む、三つの太陽を持つ異星を舞台にしたVRゲーム『三体』の驚くべき真実とは?

本書に始まる“三体”三部作は、本国版が合計2100万部、英訳版が100万部以上の売上を記録。翻訳書として、またアジア圏の作品として初のヒューゴー賞長篇部門に輝いた、現代中国最大のヒット作。

Amazonより

別名「地球往事」三部作とも呼ばれる作品の最初の一巻が「三体」です。ちなみに、現時点で日本ではこのうち第二作までが翻訳出版されており、二作目の「黒暗森林」は単行本一冊に収まらない分量のため、上下巻に分かれています。

この三体では途中から想像を絶するスケールで物語が展開され、一気に宇宙空間にまで舞台が広がっていきますが、重要な登場人物として科学者が活躍して最新の科学技術や理論をベースにストーリーが進むため、荒唐無稽な空想世界と思えないリアリティが感じられます。

そして、圧倒されるのが太陽系をも超えるこの物語の空間的なスケールの大きさと200-400年という時間軸の長さ。これだけ大風呂敷を広げてしまって、一体どう伏線を回収しながら物語としてまとめあげるのか見当もつかないまま、謎だらけを残して三体は終わります。

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黒暗森林

第二部が黒暗森林。上下巻とも330ページを超える大作ですが、三体を読み終えて上巻を手にしてしまったら最後、この謎解きに完全に惹き込まれて時間を忘れて読み進めてしまうことでしょう。

黒暗森林では200年ほど未来の地球が登場します。これだけテクノロジーの進化が早いと、200年後の姿を想像するのは難しいですが、エンジニア出身である作者の劉 慈欣(リウ・ツーシン)氏が描く世界は説得力があります。

また、SF的な展開の背景では、恋愛や裏切り、政治的な駆け引き等、何百年経っても変わらない人間の本質が生々しく描かれており物語の深みが増しています。

これだけのスケールと緻密さのバランスを保ちながら、想像の斜め上を行くストーリー展開は秀逸。最初に三体を手にした時は正直、その厚みと文字フォントの小ささに「こんな長いのか…」と感じましたが、黒暗森林に入る頃にはグイグイとページが進み、「ああ、あともうこれしか残っていない!」と感じて、この世界観にもっと浸っていたいと思うほどハマりました。

宇宙規模で広がる物語と対象的に、あまりに個人的で静かで、かつ衝撃的なラストシーン。小説としては、この第二作「黒暗森林」で十分に完結しています。

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死神永生

三部作の最後となるのが「死神永生」。

日本語版の三体シリーズはSF翻訳家の大森望さんが全巻の翻訳を監修しており、彼の翻訳の質の高さも本作品の魅力です。大森さん自身はSF小説の英日翻訳の専門家で中国語はできないそうですが、まず中国語専門の翻訳家が複数で日本語化したテキストとケン・リュウ氏による英語版テキストを両方参照しつつ、大森さんが統一的な文調で全編を的確に翻訳しています。

その結果、翻訳を感じさせない、自然な日本語で書かれており、非常に分かりやすく読みやすい小説になっています(頻発する「かぶりを振った」だけは少々違和感ありましたが)。

その大森さんが最後の解説の中でこう書いています。

p.348 さて、本書の結末で危機紀元は終わりを迎えるが、物語にはまだ続きがある。「黒暗森林」をはるかに超えるものすごいスケールで展開する完結篇「三体Ⅲ 死神永生」の邦訳は、2021年の春ごろ刊行予定。

面壁計画の背後で進行していた”階梯計画”とは?(ネタバレのため中略)新たな主人公、程心チェン・シンとともに、小説はありえない加速度で飛翔する。実を言うと、三部作の中で個人的にいちばん好きなのがこの「死神永生」。21世紀最高のワイドスクリーン・バロック(波乱万丈の壮大な本格SFを指す)ではないかと勝手に思っている。お楽しみに。

黒暗森林を読み終えた時点で、その圧倒的なスケールの大きさに驚いているのに、「(前作を)はるかに超えるものすごいスケールで展開する」とはいったいどんなストーリーなんでしょうか。

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Netflixが三体を実写ドラマ化

ハリウッドでは既に映画化が進んでいるとか。また、Netflixが実写ドラマ化するという報道も。

米ストリーミング大手のNetflixが、中国発の世界的ベストセラー小説「三体」3部作の実写ドラマ制作にゴーサインを出した。制作を手がけるのは、社会現象を起こした大ヒットドラマ「ゲーム・オブ・スローンズ」のクリエイターとして知られるデビッド・ベニオフとD・B・ワイスで、Netflixで壮大な物語が描かれていくことになりそうだ。

「三体」は、中国の作家リュウ・ジキン(劉慈欣) によるSF小説。人類に絶望した天体物理学者が宇宙に向けて発信したメッセージが、3つの太陽を持つ異星文明・三体世界に届いたことから壮大な物語に展開する。3部作で描かれる「三体」は、2014年に中国系アメリカ人作家ケン・リュウによる英訳が出版され、アジア人作家の作品として初めてヒューゴー賞の長編小説部門を受賞。バラク・オバマ前大統領やFacebookのマーク・ザッカーバーグCEOら、欧米の知識人が愛読していることでも知られる。

2019年にNetflixとオーバーオール契約を締結しているベニオフとワイスは、「ザ・テラー」のアレクサンダー・ウーとともに、実写ドラマ版「三体」の脚本執筆と制作総指揮を手がけることになる。

今回の制作発表に伴い、ベニオフとワイスは声明を発表。「リュウ・ジキンの3部作は、これまで私たちが読んだSFシリーズでのなかでももっとも野心的な作品であり、1960年代から世界の終末まで、この青く小さな地球から遠い宇宙の彼方まで、読者を長い旅路に連れ出してくれます。今後数年間かけて、本作を世界中の視聴者に届けることをとても楽しみにしています」と意欲を語っている。

映画.comニュースより

今から来年の春が待ち遠しいです。

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ロサンゼルスMBA生活とその後 2019~
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