映画いま思うこと

素晴らしき哉、人生!

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前から気になっていた映画「素晴らしきかな、人生!」(It’s a Wonderful Life)をAmazonプライムビデオで観ました。1946年公開の白黒映画ですが、そんなことも気にならないまま、一気に2時間11分、その世界観に惹き込まれてしまいました。

アメリカ映画協会が選ぶ「感動の映画ベスト100」第1位に選ばれたという本作。

最後のシーンでは、もう一気に涙腺崩壊。ぜひ一度観て頂きたい、清々しく温かい気持ちになれる素敵な作品です。

ジョージは誠意をこめて生きてきたにも関わらず全てが裏目に出る人生に絶望し、自殺を図る。だが人生が終わろうとした瞬間、200歳になっても翼をもらえない二流の老天使と出逢う。天使はジョージの人生を振り返りながら生きる“意義”をみせ、彼に生きるよろこびを取り戻させていく…。ユーモアとペーソスにファンタジーをまじえ善意を高らかに謳いあげた、フランク・キャプラ監督の永遠の名作。

Amazon

皮肉にも公開当時は興行的に振るわず、アカデミー賞3部門にノミネートされるも受賞ならず、という結果だったそうですが、時間をかけてじわじわと作品の魅力が知れ渡り、今ではアメリカでクリスマスイブに決まってTV放送される名作だそうです。

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1946年の「絶望」の違いと「生きる意味」の共通点

まったくの偶然ですが、「夜と霧」の著者、V・E・フランクルが強制収容所から開放された翌年、1946年にウィーンの市民大学で行った講演集「それでも人生にイエスと言う」を読んだ後にたまたま観たのが、同じ1946年に米国で公開されたこの映画でした。

1946年といえば第二次世界大戦が終わった直後。ユダヤ人として強制収容所という絶望的な状況下で生き抜いたV・E・フランクルは、生きる意味について「自分で考えて、行動して、その結果としてこの世の中に何らかの良い影響が与えられるのなら、それが自分の生きる意味ではないか」と説いていました。

一方で、同時期に米国で制作されて公開されたのが本作。金融機関の社長で美人の奥さんと可愛い4人の子どもたちに囲まれて生活している主人公が人生に絶望するところから始まるストーリーですが、全編に亘って米国の豊かな日常生活が描かれていて、同じ時代でも国が違うだけで「絶望」の意味がこうも違うのかと感じざるを得ませんでした。

しかし、本作から伝わってくる根底のメッセージは「本当の幸せ、生きる意味とは、お金や地位や名誉ではなく、人にどれだけ優しくできるかだ」というものであり、「それでも人生にイエスと言う」でV・E・フランクルが語った内容と僕の中で深くシンクロしました。

図らずして立て続けに読んだ本と観た映画があまりに対極的に絶望を示しながら、人生の生きる意味について本質的に同じメッセージを伝えていることに気づき、またそれが今から75年も前の作品だったことを知りました。心に響く作品は時代を超えて受け継がれていくんですね。

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