不思議な縁で昨日ばったりキャンパスで出会った元教師のアプリカントが語る「熱い夢」を聞きながら、そして保育士を目指して頑張っている友人の奮闘ぶりを見ながら、思ったこと。
毎日を楽しく、メリハリのあるものにするための一番の方法は何だろう?僕は、自分なりの夢・目標を持つことだと思います。それも、中途半端な「こうだったらいいなぁ」ではなくて、そのことを考え出したらいてもたってもいられなくなるほどに本気で「絶対にこうなりたい!」という強い思い。
3年前の僕を振り返ると、僕の(短期的な)目標はMBA留学することでした。はじめはとても漠然とした憧れのような状態からスタートし、とても自分では無理と半ば諦めかけていました。でも、当時、自分のキャリアプランやライフステージを考えるにつけて、「今(この時間軸も大事)、僕にとってMBA留学によって得られるであろうもの」と「そのために必要となる時間・労力・取るべきリスク」とを比較したときに、考えれば考えるほどMBA留学というオプションがもたらすbenefitがそのためのcostを上回っている(はず)という思いに至りました。
今思えば、いったんそこまで強く思い込める目標を持つことができたその時点で僕の目標の半分か、それ以上は既に達成されていたのだと思います。ここで大事なのは想像力。憧れのキャンパスを歩き、外国人と英語で話す自分の姿をどれだけクリアにイメージできるかどうか。もし、留学できたら実現することができるであろう数々のbenefitをどこまで具体的に実感レベルでイメージできるか。
あとは、冷静にそのときの自分が置かれている状況を分析して、目標と現状とのギャップを把握し、目標に近づくための方策をいくつも考えて、最も効果が高そうなものを選んで実践するのみ。強い思いを持てば持つほど、大変なはずのプロセスも「少しずつ目標に近づいている実感」が得られるプロセスになり、自分でも驚くほどに継続できます。
僕の好きな言葉の一つに、「苦しい時が上り坂」というのがあります。「辛いなぁ」「大変だな」と感じている時こそが、まさに成長している時。そんな時は、知らず知らずのうちにすごく急な坂を一歩ずつ上っています。でも、その最中は目の前の課題を解決するのに精一杯で、またそのプロセスがあまりにゆっくりなので、当の本人は山に向かって登っている感覚はないものです。
でも、どんなに大変な時もずっとは続きません。必ずどこかで「ふっ」と軽くなるタイミングが訪れます。そのとき、ふと後ろを振り返ってみると、いかに自分が高いところまで登ってきていたのかに初めて気づきます。そして、前に自分がいた地点からは見えなかった色々なものが見えてきます。
残念ながら、「こうありたい」という思いがあってこそ初めてそれは実現できるのであって、棚からぼた餅が落ちてくるのをじっと待っていてもそんな幸運はまず巡ってこないでしょう。もちろん、実は一番難しいのはそこまで惚れこめるだけの夢・目標を持つことです。そして、僕もMBA留学という一つの目標を達成しつつある今、次の新たな目標を見つけることが当面の目標です。
その意味で、今、まさに自分なりの夢や目標を見出して、それに向かってひたすら挑戦している人を見ると、まず羨ましいという思いと同時にとても爽やかな気分になります。そして、もし僕に何かお手伝いできることがあればしてあげたいと思います。大学のゼミでやった「入ゼミ担当」や会社で仕事の傍らでやっていた採用面接官、そして今アンダーソンでやっているVP Admissionという役回りは非常に重要かつ大変なミッションですが、それと同時にとてもやっていて楽しく、勉強になる、そして元気になれる仕事です。
一期一会の精神で新たな出会いに期待しつつ、「もしかしたら最近は坂を下っているのでは?」という問いかけを忘れずに今後も一歩ずつ歩いていきたいという思いを新たにしました。