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日印の共創ビジネスがもたらすグローバルインパクト

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いま思うこと
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2020/9/15に開催された「日本インド未来会議」に参加しました。

2020年、インドの人口は13億を超え、現在中国に続く世界第2位となっていますが、国連の調査によると、2年以内に14億人を突破し2027年には世界一の人口になると予測されています。人口構成はピラミッド型で、中位年齢は約29才(日本は約49才)と、若者の勢いがあります。そして世界最大の民主主義国であると言われる所以は、約9億人の有権者が存在することです。言語は公用語のヒンディ語、準公用語の英語、その他に憲法で定められた21言語に見られるように、様々な文化が息づき多様性があることが伺われます。

ところで、インドが世界的な企業のCEOを輩出しているのをご存知でしたか? 2020年8月現在、マイクロソフト、グーグル、マスターカード、IBM、アドビのCEO達は、インドで生まれ育ち、インドの大学を卒業後に渡米して活躍している方々です。

また、企業家精神が旺盛な方々も多く、2014年~2019年に約8900~9300のスタートアップ企業が誕生し、そのうちユニコーン企業(創業10年以内で10億ドル以上の企業価値を持つ非上場企業)は24社あると言われています。

知られざる「現在進行形のインド」について、本フォーラムにぜひ参加して、インドに触れてみませんか?

日本インド未来会議ウェブサイトより

オンライン開催でしたが、リアルタイム配信と併せて開始からのアーカイブ動画を当日中に視聴できました。この日はオフィス出社日で途中で突発的な打ち合わせ等が入りましたが、後で気になったところから再開できるのでこうした配信スタイルは助かります。(アーカイブ動画はこちらからどうぞ

特に第3部「日印の共創ビジネスがもたらすグローバルインパクト」で、NEC、日立のインド現地法人代表とNTTデータの海外事業担当副社長の西畑さん、駐日インド大使館首席公使が各社のインド事業やインド人社員と日本人社員のコラボレーションについて意見交換をしていたのが面白かったです。

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インド人と日本人の混成チームは世界最強?

中でも盛り上がっていたトピックは日本人とインド人の組み合わせについて。

ディスカッションでは両国の国民性として共通的に持っている価値観がベースにあった上で、それぞれの国が持つ強みでお互いの弱みをカバーするような補完的なパートナーになりうる可能性が高いという点が指摘されていました。

このパネルディスカッションはインド人3人に対して、西畑さんが唯一の日本人として参加。その西畑さんがプレゼンで示したのが以下の表です。

  インド 日本
共通要素
Commonalities
Young people: committed, dedicated and honest
やる気があり、まじめで、誠実な若者
Human-centric approach 人間らしい、人間中心のアプローチ
Natural respect to elders 年長者に対する自然な敬意
Good at technologies テクノロジーが得意
Sense of being in the neighborhood ご近所意識

補完要素
Complements

“Jugaad” (Innovative way to fix)
その場で独創的に対処する力
Perfectionism/ Systematic approach
完璧主義、システマティックアプローチ
Young country 若い国 Super aged society 超高齢化社会
Abundant people & Language skill
豊富な人財と言語力
Shortage of workforce
労働力不足
Super passion for growth
成長に対する情熱
Stability/ Kaizen/ Gradualism
安定性、カイゼン、漸進主義
Supply chain
サプライチェーン
Manufacturing expertise
製造業ノウハウ
Demand of infrastructure
インフラ需要
Advanced infrastructure
先進的インフラ
Implementation power
構築力
R&D, application
研究開発、応用力

西畑さんによると、日本で働いている若手のインド人社員と事前にオンラインで意見交換を行い、出てきた意見をとりまとめたそう。眺めるほどに、共感ポイントが多数ありました。

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その場で独創的に対処する力

何よりも、「日印の共創ビジネスがもたらすグローバルインパクト」というお題に対して、NECと日立の現地インド人経営者はインドでの事業内容を中心にプレゼンしたのに対して、西畑さんはそれに加えて、こうした考察をまとめた表を提示するあたりに、まさに日本人らしい真面目さと言うか、Perfectionism/ Systematic approachを感じた次第。

僕がUCLAのビジネススクールにMBA留学していた時を振り返ると、グループワークでチームで課題にあたる際にアメリカ人やインド人はとにかく口が達者で、何も準備してこなくても(その場でケーススタディを斜め読みしながら)持ち前の「その場で独創的に対処する力」(Innovative way to fix)を発揮してわーっと喋ってくるのに対して、英語が不自由な僕はとにかく事前にしっかりケースを読み込んで分析のエクセルシートの1つや2つを準備して臨むことで何とか存在感を発揮していたことを思い出しました。

この夏から縁あってインドにあるグループ企業の取締役となり経営をみていますが、日々、インド人と一緒に仕事をする中で確かに日本人とインド人のコラボレーションの可能性を感じています。

上述した「その場で独創的に対処する力」に加えて、僕が感じているのは「トップダウン文化」と「超ポジティブ思考」です。

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トップダウン文化

両国に共通する価値観として「年長者に対する自然な敬意」が挙げられていましたが、これに加えて、インド人は日本人と比べると組織のヒエラルキーに対して従順な印象があります。

以前に、金融機関や官公庁の立場で海外に駐在してインド人を含む多国籍チームをリードした経験を持つ友人数人とインド人の特徴について話したときも、この点は意見が一致していたので恐らく文化的な背景もあってこうした特徴が見られるのだと思います。

これは良い面と悪い面の両方があることに留意する必要があります。

良い面としては、リーダー層が正しい判断に基づいて方針を打ち出すことができれば、ピラミッド構造の組織にしたがって上意下達でその方針が現場の社員まで浸透しやすいこと。

一方で、悪い面は方針が間違っていてもそのまま末端まで伝わってしまうこと、そして何よりも上位者に対して「忖度する」文化に繋がる恐れがあること。

それぞれのレイヤーで、それぞれの社員が自分に与えられた役割をしっかり果たそうとするときに、トップダウンが強い文化の組織において上位者が「答え」をただ与えてしまうと次第に社員は自ら考えることをやめてしまうのが組織にとっての最大のリスクだと思います。

特に、日本の会社の傘下にあるインドの会社で、本社の日本人社員がインド人の役員に対して事細かに指示を出してしまうと、彼らは自分で考えて判断することをせずに本社の意向にただ沿うような行動に終始してしまう恐れがあります。

この場合、インド人が持つポテンシャルである「その場で独創的に対処する力」や「成長に対する情熱」等の良さを発揮できなくなる恐れがあり、僕が常に気をつけている点の1つです。

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超ポジティブ思考

インド人と一緒に仕事をしていて、最も感心するのは「超ポジティブ思考」です。

日本人は決められた手順に沿って確実に処理を進める能力(Operational excellence)が高いと常々感じます。これは品質の高い製品やインフラ整備に欠かせない重要な長所ですが、一方で不確実性が高まる昨今においては変化の早い状況に合わせて「その場で独創的に対処する力」の必要性が増してきています。

インド人は上述したとおり、「その場で独創的に対処する力」が優れている印象です。

また、低成長が当たり前になっている日本人のメンタリティに対して、国の平均年齢が29歳で今後ますます人口が増えて「人口ボーナス」期に入るインドでは人々の間に「成長に対する情熱」がほとばしっています。

こうした「その場で独創的に対処する力」と「成長に対する情熱」があいまって、普通の日本人の感覚からすると信じられないレベルでインド人はおしなべて超ポジティブ思考に感じます。

こちらも一長一短であり、例えば危機的な状況においては慎重にリスクを評価し、先々まで見越して手当を行う日本人的な行動様式は非常に重要ですが、これから新しいマーケットを作り出して成長戦略を描くような局面ではインド人の前向きなスタンスが求められます。

企業経営においては、こうした両面が併存するなかで様々な意思決定を行っていく必要があり、その時々で両者の強み、弱みを理解した上でより柔軟に最適解を導き出すためにはインド人と日本人がうまくコラボレーションすることが非常に有効だと感じています。

僕が勤務する会社は、全世界で12万人超のグループ社員がいるうち、日本人36,000人に対し、インド人は22,000人で日本人に次いで多い状況です。日々の仕事を通じて、今後ますますインド人と日本人のベストミックスについて試行錯誤しながら経験値と実績を積み上げていきたいと思っています。

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ロサンゼルスMBA生活とその後 2019~
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