たびいま思うこと

屋久島の局地的大雨災害、孤立314人全員救助の鍵は山岳ガイド

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たび
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先日に発生した屋久島の集中豪雨による災害ですが、登山客は全員無事に救助されたとのこと。何はともあれ、ほっと一安心しました。

鹿児島県屋久島町の局地的な大雨により、孤立状態で一夜を明かした世界自然遺産・屋久島の登山者らは19日、県警や地元消防団の救助活動を受けて全員が下山した。県は、救助した人数が計314人になったと明らかにした。町は、同島と口永良部島の全域6667世帯1万2431人に出した避難勧告を、この日も継続した。

孤立者は下山後、健康状態などを医師らに確認してもらうため、バスで麓の屋久島署へ。一部は病院へ搬送された。救助前に捻挫や体調不良を訴えた人もいたが、重症者はいなかったという。

日本経済新聞 2019/5/19

3月末に屋久島を家族4人で訪れて、まさに今回の被害が集中した縄文杉へと続く登山道を歩いてきたばかりだったので、このニュースはひときわ衝撃的でした。

これだけの大規模な登山客が全員無事だったというのは不幸中の幸いでしたが、僕が思うには山岳ガイドの皆さんの力が大きな要素だったのではと思います。

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縄文杉までの登山ルートは基本1つ

縄文杉に至るまでの登山ルートは、荒川登山バスで登山口まで移動してトロッコ道を経由するのが基本です。このトロッコ道は片道11kmのうちの大半、約8割を占めており、その多くが片側が崖になっている斜面をひたすら一本道で登っていくルート。

片側が崖になっている斜面をひたすら登るトロッコ道
途中には手すりのない橋のようなトロッコ道も

今回、このトロッコ道が途中で何箇所も寸断されていたようです。登山口からスタートしてしばらく歩くと、屋根付きの箇所があります。

ここは沢の水が斜面を流れているため、屋根を伝って水が崖の方に流れるようになっていました。写真を拡大すると分かりますが、左側に水が流れ落ちており、トロッコ道の上にも少しポタポタと水が滴り落ちています。

恐らくこの箇所だと思われる映像がTwitterで流れていました。滝のように水が激しく流れ落ちていますが、このトロッコ道は一本道なのでここを通り抜けないと他にルートはありません。

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屋久島の山岳ガイドのプロ意識と連帯感

3月に屋久島の縄文杉まで往復11時間のトレッキングを子連れで敢行した際は、登山ガイドさんにプライベートガイドをお願いしました。特に、当時、中学受験を終えたばかりだった小学校6年生の娘の体力を考えると、往復22kmの登山の成功率は五分五分といったところ。

さすがプロのガイドさんだけあって、縄文杉までのコースを知り尽くしており、完璧なペース配分で我々をリードしてくれたおかげで何とか時間内に踏破することができました。

先の映像では「屋久島の自然ガイドの人が一緒になってずぶ濡れになりながら1人ずつロープに掴まらせて通してる」とのこと。これを読んだとき、お世話になったガイドの方々の顔を思い浮かべました。

屋久島の登山ガイドの方々は皆さん所属している会社はまちまちですが、週に何回かガイドとして登山しているので皆さん顔見知り。すれ違う時にも挨拶を交わしながら、その日にどのガイドさんがどんなパーティを率いているか、自分の前後にどれくらいの人数がどんなペースで歩いているか等を常にチェックしていました。

中にはガイドを頼らずに自分たちだけで縄文杉まで登山する人もそれなりの数いると思いますが、要所要所で専門のガイドさんが登山道に散らばっているので、いざという時は本当に頼りになるはず。

登山道の途中、歩きやすいように階段が設置されているところも

僕らをガイドしてくれた方は還暦過ぎていましたが、先日案内した女子大生が途中で歩けなくなった時は背負って下山したとのこと。ひときわ大きなリュックにはいざという事態を想定した様々なグッズが詰め込まれていました。

今回の災害では、こうしたプロフェッショナルなガイドさんたちが連携して、一人ひとりの登山客を確実に誘導したことが全員の無事救助に繋がったのではないかと思います。

大規模な土砂崩れ等が多数発生した様子ですので復旧までにはしばらく時間がかかると思います。一日でも早く安全が確保されることを心から祈念しています。

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