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ライフ・シフト 100年時代の人生戦略

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読書メモ
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めったに本を買わない僕が書評を読んだだけで「これは読みたい!」と直感買いした「LIFE SHIFT 100年時代の人生戦略」(リンダ・グラットン/アンドリュー・スコット)、色々と考えさせられました。

就職活動の中で直感的に面白そうと思った会社に入ってから色々あったものの常に挑戦しがいのあるテーマを見つけて取り組んできた僕ですが、気づいたらお世話になった先輩方が定年退職し始める年齢になっていました。

MBA留学を境に、自分の人生のハンドルは自分で握ることをモットーに、社内で自分の考えを発信することで自分なりに興味を抱けるような仕事を見つけたり作ったりしながらやってきました。

同時に職位が上がるにつれて自分の希望通りの仕事だけをやれないケースも出てくる中で、何とか「やるべきこと、やりたいこと、できること」のバランスを取りながら今日に至る感じです。

この先にまだ第二、あるいは第三のキャリアが控えていると考えると、これから今の会社でどんなテーマに挑戦して、どんな経験を積んでいくことが長い目で見て自分の人生をレバレッジしてくれるのか、しっかり考える時期かなと感じます。

特に、今の会社の枠を取っ払って、広く社会から評価してもらえるようなスキル、経験を積むことが大事。本書で色々と指摘されている「これからの時代を生き抜くために大事な考え方」の中でも次の3つがとりわけ心に響いたのでメモしておきます。

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評判資本経済

p.142 評判の形成と拡散の過程で周囲の人間関係が大きな役割を果たすということは、裏を返せば、みずからの評判を自分ではコントロールできないことを意味する。評判は、コミュニティがその人に対していだく判断、評価、認識の枠内で形成される。

SNSのようなツールがここまで日常生活に根差してくると、ネット上の情報も含めた「評判」に関する情報はますますオープンに共有されるようになってきます。企業やお店の口コミにとどまらず、個人の評判もまた同様。facebook, twitter, LinkedIn等のアカウントを見れば、概ねどんな人的ネットワークがあり、どんなことに興味があるのか等、その人となりが浮かび上がってきますし、これらのデータをAIで解析することでより客観的に意味づけしたりスコア化したりすることも簡単にできます。

オープンAPIの流れの中で、こうしたSNSに加えてこれまで個別に蓄積されていたECサイトの購買履歴やクレジットカードの支払い情報、銀行口座情報等を本人の同意のうえで収集・分析するようなサービスが今後生まれてくるでしょう。

VALUやタイムバンクのように個人の評判情報を指標化し売買できるようなサービスもますます一般化し普及すると思います。また、こうしたスコアがネット上だけでなくリアルな店舗でも共有されることで、スコアが高い人(=評判が高い人)は価格やサービス面で優遇される、あるいはその逆、といったこともこれからは起こりうると思います。

先日のブログで「企業は存続するためには小手先の情報操作では持たなくなり、消費者や社員に対してよりオープンに誠実に向き合う姿勢が求められてきています」と書きましたが、同様に(好むと好まざるとに関わらず)個人の評判もネット上で共有される時代になってきています。

これが行き過ぎると息苦しい監視社会になるリスクがありますが、上手に活用することでビザスクのスポットコンサルのような、一人の個人でも大きな組織に所属することなく自分のスキルや経験を広く知ってもらい役立ててもらえる仕組みが今後ますます広がっていくでしょう。

サラリーマンは視野が社内に限定されがちですが、人生100年時代を見据えるとこうした社外でも評価されるような働き方、人的ネットワークの広げ方がますます重要になってきます。

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変身資産

AIやロボットが進化する過程で多くの仕事は自動化されていきます。そんな時代に重要になってくるのが変身資産。

p.234 長い人生には、変化と変身がつきものだ。だからこそ、長寿化時代には、変身資産という新しいタイプの資産が重要になる。「るつぼ」の経験をするとき、この種の資産の形成が促進される。重要なのは、本やウェブサイトを読むだけでなく、実際に人々と顔を合わせ、理屈抜きの感情レベルの経験をすることだ。そういう経験をするとき、私たちは、目の前の人たちの人間存在そのものに触れられる。その人のそこにいたるまでの人生、感じている重圧、前に開けているチャンスを知ることができるのだ。

TV会議でたいていの議論ができてしまう時代ですが、あえてコストをかけて対面で対話することで得られる体験の価値は高まります。ここぞ!という時は現場に出向いて直接会話し、感じること。こうした経験を通じて積み重なる人間力はAIやロボットには替えられない重要な資産になります。

p.252 ポートフォリオ・ワーカーへの移行に成功する人は、早い段階で準備に取りかかり、フルタイムの職に就いているうちに、小規模なプロジェクトを通じて実験を始める。興味をもてそうなプロジェクトを試しに実行し、自分がなりたいポートフォリオ・ワーカーのロールモデルを見つけ、社内中心の人的ネットワークを社外の多様なネットワークに変えていく。この過程で変身資産をはぐくむことが重要だ。人的ネットワークを広げ、さまざまな分野の人たちと関わり、業種を移っても活用できて評価されやすいスキルと評判を身につけなくてはならない。

この夏からの僕の新たなミッションは、金融機関とFinTechベンチャー企業とを繋ぎながら新しいサービスを実際に立ち上げるというもの。社内の組織を横断したプロジェクト推進はもちろんですが、社外の様々な人々と一緒に組むことで初めて実現できるミッションです。今まで培ってきた社内外の人的ネットワークを最大限に活用して、複数プロジェクトをグイグイ推進しながら変身資産を磨いていきたいです。

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リ・クリエーション

p.312 平均寿命が延び、無形の資産への投資が多く求められるようになれば、余暇時間の使い方も変わる。時間を消費するのではなく、無形の資産に時間を投資するケースが増えるだろう。レクリエーション(娯楽)ではなく、自己のリ・クリエーション(再創造)に時間を使うようになるのだ。(中略)過去100年間は、商業化された娯楽の消費活動を中心とするレジャー産業が台頭したが、今後は、個人レベルでの自己改善への投資活動に力を入れるレジャー産業が発展するかもしれない。

今までのキャリアで積み上げてきたスキルはIT x 金融 x グローバルの3本柱。これを軸にしつつ、新たな4本目、5本目の柱をこれから築くことで、よりユニークな立ち位置で面白い仕事ができるでしょう。

まだ具体的なイメージはありませんが、常に好奇心を大切にして、より社外に目を向けながら次のテーマを探していこうと思います。

長生きをリスクでなくチャンスと捉えて、これからの人生をどうデザインしていくか、自分なりに考える良い契機になりました。特に、これから社会に出る学生さん、企業で頑張っているサラリーマンにお勧めしたい1冊です。

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ロサンゼルスMBA生活とその後