いま思うこと仕事

米国の名物番組で孫正義が語ったこと

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いま思うこと
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Sprint買収に続いてT-Mobileも買収・合併させることで米国の携帯電話市場に本気で参入を狙うソフトバンク。ワシントンDCのUS Chamber of Commerce (USCC)にて講演した孫さんは、全米で著名なジャーナリスト、Charlie Roseによるインタビュー番組にも出演しました。

30分に亘るやりとりの中では、Charlie Roseが切れ味鋭く、テンポよく、孫さんの今までの歩みを振り返りつつ、ソフトバンクがいま挑んでいるアメリカ市場への参入や将来のビジョンまで聞き出しています。

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孫さんが語ったエピソードの数々

例えば、こんなエピソードが紹介されています。

  • UCBの大学生だった頃に起業した事業を売って自分で稼いだお金を元手に日本に帰ってソフトバンクを起業した(VCの助けを借りずに済んだ)

  • 3日だけビルゲイツを抜いて世界一の富豪になったものの、ドットコムバブル崩壊で株価は1年で1/100にまで下落

  • アメリカのブロードバンドがいかに遅く、また料金が高いか

  • その原因は、VerizonとAT&Tの2強が市場を独占していて適正な競争がないこと

  • 大震災を契機に、原子力への依存から代替エネルギーへ舵を切るための投資

  • 多様なビジネスモデル、ブランド、テクノロジーが生まれ、育まれる場の提供者を目指す

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スティーブ・ジョブズとの密約

アップルがiPhoneを発売する3年前、スティーブ・ジョブズを訪ねて孫さんが描いたiPodに携帯電話が付いた製品のスケッチを見せたこと、もしiPhoneが完成したら日本で独占販売させてくれと申し入れたこと、最初に商談を申し込んできたということでその場でスティーブが独占契約を約束したこと、など。

まだiPhoneがスティーブのアイディア段階だった頃に既にサシでそこまで話をつけていた先見性もさることながら、実はその時はまだソフトバンクは携帯電話事業に参入する前だったというから驚きです。

スティーブに「でも、お前はまだ携帯事業をやってないじゃないか」と言われて、「君はiPhoneが完成したら僕に売ることを約束してくれ。僕は携帯電話事業を日本で始めるから」と話したそうです。その後、ボーダーフォンジャパンを2006年に約1兆7500億円で買収することでソフトバンクは本当に日本で携帯電話事業に参入した訳です。

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孫さんの英語

YouTube動画は米国市場参入に関する部分だけを切り取っていますが、ブルームバーグのウェブサイトではインタビュー全編を視聴することができます。上記のスティーブ・ジョブズのくだりは8:50くらいから見れますので、ぜひ観てみてください。

孫さんの英語は、動画を見ればわかるとおり発音は日本人英語っぽいですし、決して流暢にペラペラ話すわけではありません。しかし、常に落ち着いていて相手をじっと見据えて話す言葉の1つ1つはシンプルで無駄がなく、内容も質問に対して本質的に、時にユーモアを交えて見事に切り返しています。

フェアという価値観を大事にする米国に対して、真っ向から競争原理を持ち出してフェアな戦いを挑む孫さん。ワシントンDCまで乗り込んで、政府やメディアに対してここまで堂々とビジョンや戦略を語ることができる日本の経営者は見たことがありません。

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想像もつかないこの先の展開

ソフトバンク、そして孫さんはPCソフト卸売業やPC系の出版社だった頃からウォッチしていましたが、ドットコムバブル崩壊後に通信事業に乗り出した時に孫さんの起業家としてのポテンシャルに賭けて投資して以来、株主として応援しています。UCLA Andersonに留学中には、あのRumelt教授の授業で孫さんを取り上げたレポートを書きました。

2005年の当時のブログには、「渡米前はアメリカの方が進んでいるのかと漠然と思っていましたが、僕の住んでいるLAですら1Mbps程度のADSLかケーブルモデムのために$30ほど支払っているという状況です」と書きましたが、あれから10年近く経過した現在でもアメリカのブロードバンド事情は遅れているようです。

同じエントリーでは、「彼は日本テレコムを傘下におさめ、今後は携帯電話に本気で進出するようです。既存のキャリアにとっては大きな脅威である一方、一般ユーザーとしてはより安い料金で高サービスを享受できる訳で大歓迎でしょう。今後も彼には注目しています。株主ですし(笑)」とも書きましたが、まさか当時はソフトバンクが日本の携帯電話市場をiPhoneで席巻した後に米国市場にまで参入することになるとは夢にも思いませんでした。

彼を応援するつもりで投資してから10年で30倍に大化けしたソフトバンク株ですが、超低金利が続く日本ですので孫さんとはもう少し一緒に夢を見たいと思います。

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