ハワイ島での夜の楽しみといえば、満天の天体観測。
市街地からでも驚くほど綺麗な星空が見られますが、コナから一時間ほどマウナ・ケア山に向かって車で走るだけで、日本では決して観られない世界最高レベルの星空が楽しめます。
天文好きの方でなくとも「すばる望遠鏡が観測に成功」と書かれている記事や写真を見たことがある方は多いと思います。
大成建設ウェブサイトより
「すばる」は、日本の天文学を司る国立天文台が保有する直径8.2mの世界最大級の望遠鏡です。皆さんはこの「すばる望遠鏡」がどこにあるかご存知ですか?
1999年9月に日本の国立天文台ハワイ観測所が完成しました。
「すばる望遠鏡」は、アメリカ合衆国ハワイ島の最高峰・標高4200mマウナケア山頂にあります。
マウナケア山頂は夜の晴天率が高く、大気が安定し空気が清浄で乾燥しているため天体観測には絶好の条件を備えており、世界各国の天文台が集まっています。
マウナ・ケア山の2,000m級から眺める満天の星空
ハワイ島のマウナケア山は、何と標高が4,205mあります。あの富士山よりも高い!そして、山頂まで車で行けてしまうのです。
その理由は、富士山のような切り立った山ではなく、非常になだらかに裾野が広がる山だから。空港から眺めても山の端がどこまでもゆったりと広がっているため、富士山よりも高い山には見えません。
この山の中腹まで深夜に登って星を眺めようという企画です。
オニヅカビジターセンターはTMT建設のため閉鎖中
今回はレンタカーで標高2,800m地点にあるオニヅカビジターセンターまで登り、その付近で星空観測する計画でした。
ところが、日本でもニュースになっていた大型望遠鏡の建設が始まったため、その途中にあるオニヅカビジターセンターも一時閉鎖に。
2019年7月15日よりマウナケア アクセス道路が30メートル望遠鏡(TMT)の建設に伴い、閉鎖される予定です。
ハワイ州観光局ウェブサイトより
工事開始より建設に必要な重機を運び込むためにマウナケアへのアクセス道路が閉鎖されます。
マウナケアに訪問される予定の方は、各ツアー会社にツアー催行状況をご確認下さい。
ニュースをみた当初はビジターセンターが閉鎖されていてもその近所で観られるかなと思っていましたが、よく調べるとビジターセンターに向かう道路が閉鎖されていることが判明。
コナとヒロを結ぶ高速道路(サドル・ロード200号線)から山頂に向かう唯一の道、マウナケアアクセスロードが閉鎖されてしまっています。オニヅカビジターセンターもこの道の途中にあるため、行くことすらできない状況です。
標高2,000m級のマウナケア州立公園で星空観測
そこで、色々と情報収集すると、星空観測ツアーの大半は現在は標高2,000mくらいにあるマウナケア州立公園で星空観測をしていることがわかりました。
ここはサドル・ロード200号線をコナからヒロ方面に向かうとき、マウナケアアクセスロードの少し手前の左側(山側)に広がる公園です。
何ともラッキーなことに、今回のハワイ島滞在中に月明かりがない新月の日があり、この日に星空観測をする予定にしていました。ただ、日中はマウナケア山に結構雲がかかっていて気になっていました。
夕方にケアウホウの展望台から眺めたサンセットが絶景!
ふと振り返ってみると、それまでマウナケア山にかかっていた雲が綺麗に晴れ、山頂までくっきり見えました。すべての条件が整った絶好の星空観測の日です。
マウナケア州立公園をグーグルマップの目的地に設定して、いざ出発!
グーグル先生曰く、コナの南にあるケアウホウの展望台から公園までは約1時間、50マイルとのこと。50マイルは約80kmですので、平均80km/hで標高2,000m地点まで一気に駆け上がるというストーリーです。
理屈ではわかるけど、さすがに山道をそりゃないだろうと思って走り出して気づいたことは、日本の曲がりくねった山道ではなく、地図にもある通り、あまりカーブのない一本道をひた走るコースということ。
しかも、前後の車は普通に時速100km近く飛ばします。基本的に街灯はほぼゼロ。ただ、道路には反射板がしっかり埋め込まれているのでヘッドライトを点灯すれば、まあ大丈夫です。そして、途中の信号も数個のみで、基本、高速道路のイメージです。
結局、1時間ちょっとで目的地に到着。今まで色々な道をドライブしてきましたが、この夜の時速100km山道ドライブは一番しびれました。
「星降る夜」とはこういうことだったのか!
マウナケア州立公園に向かう途中、助手席の妻が「星空、ヤバい、ヤバい!」と連呼。僕はハンドルを握って必死の運転でしたが、窓から見上げて見える星の数が半端ない様子です。
はやる気持ちを抑えて、公園で車を停めて、トイレの奥に広がる広い敷地に向かって歩いていくと…
プラネタリウムで観るような満点の星空!天の川までくっきりと見えます。ほぼ360度、周りに遮るものが何もない環境で寝転んで見上げた星空は、まさに「星降る夜」でした。松山千春が「長い夜」で歌っていたのは、これだったのか。
残念なことにスマホでは星は写らず。この日のために一眼レフを持っていくべきでした!
著作権フリーの写真素材からイメージに近い写真を掲載するとこんな感じです。実際はこの写真ほど木が視界に入ることもなく、大地に寝そべって見上げると全面に広がる星空…
真夏でも標高2,000m超えるので、夜は気温15度ほどで寒いです。僕らは長袖シャツ、フリースを着込んでバスタオルを羽織ってましたが、30分以上すると凍える寒さ。
それでも、その場を立ち去るのが惜しいほどの美しい星空でした。途中、流れ星も3つ観られました。この星空を観るだけでもハワイ島を訪れる価値があります。
マウナケア山頂まで道路が開通したら、次回は山頂にもトライしたいと思います。
そして、今回のハワイ旅行のもう1つのハイライトは、海ガメと一緒にシュノーケリング!