「土偶を読む」の反響【ラジオ編】

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2021/4に晶文社から発売されて話題となった「土偶を読む」の反響のうち、主要なラジオ番組に関するものを紹介します。

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文化放送 くにまるジャパン 極

文化放送ウェブサイトより

2021/10/1放送の文化放送「くにまるジャパン 極」のゲストコーナー「くにまるさん、お客さんですよ!」に、水曜日は山崎まさよしさん、木曜日は橋本大二郎さんという流れで金曜日に竹倉氏が生出演しました。

土偶研究の新たな扉を開いた人類学者の竹倉史人さんをお迎えして、土偶最新研究について伺います。
明治以来130年も研究されているという「土偶」。
縄文時代に作られた土偶には、どんなメッセージが込められているのでしょうか。

文化放送ウェブサイト

番組の冒頭で「なぜ土偶のモチーフについて説得力がある説が提出されてこなかったか?」という点について、竹倉氏はこう語りました。

考古学は土偶を分析していつ位の年代ものなのかといったことは研究の範疇だが、土偶のモチーフが何かということは考古学の仕事ではないとおっしゃる方がほとんどで、ほとんど誰もやってこなかった。

明治時代は研究されていたが、考古学では見た目でモチーフを探るというのは学問的ではないという風潮が強くなっていった歴史的な経緯がある。

本来であれば、土偶のモチーフを推定するにあたっては、まず土偶に関するファクトを正しく理解して、そこから導出されるストーリーを検証することが当然に必要となるプロセスですが、土偶の研究ではその議論がほとんどなされてこなかったというのが驚きです。

竹倉氏「統計データを見ると縄文時代の人口の増減と、土偶の増減は相関していないんです。土偶はこれまで出産や安産と関係があると言われていましたが、それが関係がなさそうだということが見えてくる。また私が中学生ぐらいの時は、縄文人は狩猟で生活していたと習ったんですが、ここ2~30年の研究で、縄文人は我々の想像をはるかに上回る量の植物を食べていたということが明らかになっています。こういったデータを分析した結果、土偶はどうやら植物が関係がありそうだと着想しました」

文化放送ウェブサイト

本書では土偶のモチーフ、つまり土偶は何をかたどっているのか、についての仮説が提示されました。来年に出版が予定されている続編では、土偶はなぜ造られたか、どう使われていたか、という謎について新たな研究成果が発表される予定です。

実は来年に出版予定の「土偶を読む」の続編には土偶の用途について書く予定だというが、その一部を明かしてくれた。

竹倉氏「土偶は恐らく植物の栽培と関係があったと思われます。大きめの木の実を選抜して、自分たちで植えて育てるということが縄文時代にはもう既にあった。その時、精霊が木の実の中に入ると発根・発芽すると考えていたのでしょう。例えば人間の妊娠も植物も、縄文人は恐らく同じメカニズムだと考えていた節があり、木の実は植物の卵だと思っていました。恐らく土偶は、精霊を木の実に入れる儀礼に使ったので、あれはつまり精霊を入れる一種の容器なのでしょう」

文化放送ウェブサイト

番組の最後に、本書について批判を含めて各所で話題になっていることについて聞かれた竹倉氏は次のように答えていました。

本書の説に対しては今まで違う説を唱えてきた方がたくさんいるし、色々な説があるのが健全な状態だから、当然反発してる方も多くいる。そうした反論にも続編で答えようとも思っている。しばらく向こう数年は恐らくわちゃわちゃした状態が続くだろう。

新説が定着するには何年もかかる。今までのほとんどの主要な土偶の論文を読んだが、自分が発表した仮説が最も説得力があると確信を持っている。当然もっと良い仮説が今後出てくる可能性がある。そしたら喜んでその座を譲りたいと考えている。

「出版社に持ち込んでもこれは出せないと言われた中で引き受けてくれた出版社があり、これが五刷でベストセラー。なんでだと思うか?」

まず縄文時代がブームというか、注目を集めている。なぜかと考えると、今の世の中を生きることの閉塞感、もっと伸びやかに人間らしく自然な暮らしをしたいという感覚を少なからぬ人たちが感じている。縄文時代は縄文時代で大変なサバイバル生活だったわけで赤ちゃんも沢山死んでしまうし非常に厳しい生活だったが、何かそこには今の自分たちにはない豊かさだったりがあるのではないかと多くの人が考えている。こうした背景から最近になって多くの人が縄文や土偶に対して興味を持っているのかなと感じる。

以下のradikoサイトから番組のアーカイブを「聴取可能期限:2021年10月03日 12:13まで」視聴できるそうです。

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J-WAVE 岡田准一 GROWING REED

2021/6/6日曜日深夜12時から、V6岡田准一さんがナビゲートするJ-WAVE番組 “GROWING REED”に竹倉氏がゲスト出演しました。

岡田准一がある1つのテーマの専門家をお呼びして徹底的に質問。
番組の終わりには、考える葦として、リスナーの皆さんと一緒に成長していきます。
2005年・春にスタートし、現在500人を超える知の巨人をお迎えしています。

J-WAVE

これだけ変化の激しい時代に15年以上に亘って続いている番組というのは凄いですね。

終始落ち着いたトーンで岡田さんが興味深い質問を次々に投げかけていきます。

また、単に聞き手として尋ねるだけでなく、岡田さん自身の経験から感じていることや疑問を織り交ぜながら、話は縄文人の精神世界やそれが今の我々にもどう引き継がれてきているか、といった意見交換がなされました。

岡田 (縄文人の暮らしぶりを想像すると)今の感覚とは違うし、夜は真っ暗だったり獣だったり、死の近さだったり大地の力強さだったりということとか、食べ物を取る苦労さだったりとか、そういうことを踏まえていくと、精霊信仰に力をすごく見出したりということは身近に今よりも感じやすく、信仰の対象としてしやすいから、そこ(土偶)に祈りを捧げるということはあることだと思う。(中略)

(縄文人にとっては食物を確保することは)命がけだっただろう。実がなったぞというだけで。それを守る、大きく育つまで毎日楽しみに待って、それを頂いてという。

竹倉 採りっぱなし、食べっぱなしではなく、こちらからも感謝の気持を伝えることは今での日本の日常の中に息づいている。

J-WAVE “GROWING REED”

さすが15年に亘ってこの番組を通じて様々な分野の知の巨人たちと直接言葉を交わしてきた岡田さんならではの含蓄のある、ユニークな対話となりました。

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TBSラジオ 金曜ボイスログ 臼井ミトン with 原カントくん

2021/6/4のTBSラジオ「金曜ボイスログ」冒頭のアート関連の書籍を紹介するコーナーで、ゲストの下北沢本屋B&Bを経営する編集者、原カントくんが「土偶を読む」を紹介しました。

番組パーソナリティーの臼井ミトンさんと原カントくんとの掛け合いの中で、以下のようなキーワードが語られました。

  • 土偶は日本人最初のアート作品ではないか
  • 相当読み応えのある1冊
  • 考古学者は下手に土偶とは何かを語ると色々なところからツッコミが入るから触れられないらしい
  • 人類学者という専門分野のストライクゾーンではない立場から本書を書いた著者は美大を経て東大に入った人類学者というなかなかパンチの効いた経歴
  • この本の見どころは仮説をいかにカードを1枚1枚めくるように実証していく過程にある知的ゲームのような本
  • 下手したら教科書が書き換わるくらいの発見をこの本でしているというスペクタクルな1冊
  • 縄文時代はとても長くて1万年以上ある
  • 我々の暮らしているこの2千年くらいは縄文時代の余韻
  • 僕たちを知る意味でもぜひ読んでほしい1冊
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文化放送 大竹まこと ゴールデンラジオ!紳士交遊録 みうらじゅん

2021/7/29の文化放送 大竹まこと ゴールデンラジオ!の紳士交遊録コーナーにて、みうらじゅんさんが「最近読んだ本で凄い面白かった本があるのでぜひとも紹介したい」との前置きから10分以上に亘って熱く本書の魅力について語っていました。

本番組に先立ち、いとうせいこうさんがみうらじゅんさんに本書を勧めてくれていた模様。ひらがな名前繋がりですね。

以下からアーカイブ視聴できます。

中でも、「ゆるキャラ」という言葉を生み出したみうらじゅんさんならではの視点から、土偶はゆるキャラのルーツだったのかも、という仮説が展開されました。

  • 図版がいっぱい入っていて図版好きにはワクワクする装丁
  • そもそも土偶は見た目が人間っぽくないが、通説では豊穣を祈って妊婦を模していると言われてきた
  • この本は「土偶は人間じゃなくね?」というところから発想する本
  • 作者の凄いところは実際に土偶が発見された海岸や山に行って、モチーフになった植物や貝が当時の人達に食べられていなかったかを突き止めていく推理小説みたいな感じで謎解きをし、とても合点が行く
  • 妊婦説に対して誰も今まで突っ込んでこなかった。王様は裸だと誰も言わなかった。子供に土偶を見せても人だとは言わないかもしれない。僕らは土偶だと思って見ているから「ヒトガタを模したもんでしょ」と思い込んでいる。
  • そこに対して、そうではないのではという仮説を立てて検証していく。読み進めていくとワクワクする。
  • 「ゆるキャラは八百万の神ではないか」までは「ゆるキャラ大図鑑」で書いたが、土偶は思いつかなかった。途中で「ゆるキャラ」という言葉が出てきて、こちらがハッとした。確かにゆるキャラは人物ではなくて食べ物の精霊たちを模したものである。
  • 特産物をゆるキャラ化する際の自治体の人達の真剣さと縄文人が食べ物を土偶化する際の真剣さは通底する。
  • 昔から人間には抽象的なものをキャラ化するという文化があったのかもしれない。例えば、吊り目の土偶(縄文のビーナス)があるが、人間を模しているのならもっと精巧に作れるのに、わざとキャラ化しているのではないか。

スタジオお大竹さん、小島慶子さんとみうらじゅんさんの軽妙な掛け合いで大いに盛り上がっていました。番組後、本書のAmazonでの売上が急増したそう。

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