出雲からスタートした夏旅2025のDay4は徳島。Day3は瀬戸内しまなみ海道サイクリングで夕陽まで見てからの移動となったため、徳島には22:30頃の到着となりました。
大塚国際美術館
彼女が一度行ってみたい!と言うので結構無理して旅程に組み込んだのが大塚国際美術館。オープンの9:30に合わせて入館しました。
大塚国際美術館は、徳島県鳴門市にある美術館です。世界26か国・190余りの美術館が所蔵する名画を、原寸大の陶板で再現して展示しており、古代から現代までの美術史を一度に体験できるのが特徴です。気候や保存環境に左右されず、名画を間近で鑑賞できることから「世界の名画が集まる美術館」として人気を集めています。
しょせん模造品だよね…くらいに思っていて正直あまり期待していませんでしたが、あまりにリアルな質感(実際に凹凸まで表現)と展示品に手で触れられる身近さ、そして絵画だけでなく、その絵画が置かれている空間そのものまで再現する展示方法と圧倒的なスケールに驚愕しました。
余裕を持って4時間を確保しましたが、鑑賞ルートは約4km、広大なスペースに1,000点を超える作品が展示されており、全てを鑑賞できませんでした。当初は高いなあと感じていた3,300円の入館料を優に超える価値を感じました。
バチカン・システィーナ礼拝堂


最初の展示は、いきなりバチカン・システィーナ礼拝堂の完全再現。ミケランジェロの天井画「天地創造」と壁画「最後の審判」が原寸大で広がり、息をのむ迫力に包まれます。
実際の礼拝堂では撮影や自由な鑑賞が制限されていますが、ここでは椅子に座ってゆっくり眺めたり、間近に近づいて細部を堪能することもできます。世界遺産の芸術空間を体感できる、まさに大塚国際美術館ならではのスポットです。
エル・グレコ
エル・グレコの空間では、代表作のひとつ「オルガス伯の埋葬」(左)、「祭壇衝立(エル・エスコリアル修道院用祭壇画)」(右)が原寸大で再現されています。

現在はこの祭壇は破壊されてしまっているため、当時の様子を再現して見られるは大塚国際美術館ならではと言えます。
19世紀初頭のナポレオン戦争により祭壇は破壊され、絵画は散逸されてしまう。「現在、6点の絵画は2カ国の美術館が所蔵しており、もともとの展示風景で観ることは叶いません。しかし当館では、高さ約13mの祭壇も含めた展示を行っています」との山側さんの言葉通り、地下3階「エル・グレコの部屋」には、今や幻となった世界が出現している。
YONDEN
聖ニコラオス・オルファノス聖堂
ギリシャ・テサロニキの「聖ニコラオス・オルファノス聖堂」のフレスコ画も現地の環境が再現されて展示されています。この聖堂は、14世紀初頭の後期ビザンティン時代に描かれた壁画で埋め尽くされており、世界遺産にも登録されているそう。

ポンペイ遺跡「貝殻のヴィーナス」壁画
自然光が差し込む展示室では、ポンペイの遺跡を思わせる空間が広がっていました。長い壁に描かれた美しい壁画と、手前に広がる緑の地面が幻想的な雰囲気。紀元1世紀に描かれたとは思えないほど、鮮やかな色彩に感動しました。

古代ギリシャの水差し
紀元前680年頃、古代ギリシャのアッティカ地方で作られたという水差しの絵を1枚の平面に再現した作品がありました。3次元の絵を2次元に投射して再現するというのも大塚国際美術館ならではのユニークな展示です。


古代ローマのモザイク画
紀元前2世紀後半に作成された古代ローマのモザイク画。
ナイル川流域の様子が、上から下へと時の流れに沿って描かれています。上部には動物の狩猟シーンが、下部にはローマ人がナイル川を探検する様子や、ワニやカバ、様々なエキゾチックな動物たちが細かく描写されています。



スクロヴェーニ礼拝堂のフレスコ画
イタリアのパドヴァにあるスクロヴェーニ礼拝堂の内部を原寸大で再現した空間。聖母マリアとキリストの生涯が壁一面にフレスコ画で描かれています。

カッパドキアの岩窟修道院
10世紀前半の聖テオドール聖堂の再現は特にリアルでした。このように平面の絵画だけでなく、空間全体を登板で再現しているところがユニーク。
この中にいると、まるでその場所に旅行したかのような感覚になるほどです。


大睡蓮
大胆にも作品を屋外に展示するスペースも大塚国際美術館ならでは。モネの大睡蓮は圧巻でした。また、隣には絵画を再現したかのような本物の睡蓮が咲く池も広がっていました。
印象派の画家クロード・モネ(1840-1926) が集大成として晩年に描いた「大睡蓮」を、風雨や紫外線に耐性のある陶板の特性を生かし、屋外に展示しています。作品の周りの池には色とりどりの睡蓮が咲き誇り、名画とともに楽しめるベストシーズン! 7月から9月頃は、モネが過ごしたフランスのジヴェルニーでは熱帯性のため咲かなかった青い睡蓮も開花します。モネの傑作と、自然豊かな景色をご堪能ください。
公式サイト




古今東西の名画の数々
とても4時間では見尽くせない圧倒的なスケールの展示が続きます。原寸大で再現された名画の数々は油絵の厚みまで再現されているのが驚き。




最後の晩餐は、修復前と修復後の両方が同じ空間に原寸大で再現されていました。こうした展示ができるのも大塚国際美術館ならではですね。

モナリザの微笑も至近距離でじっくりと鑑賞できました。



この作品「合奏」は、20世紀にアメリカ・ボストンのイザベラ・スチュワート・ガードナー美術館から盗難に遭い、現在も行方不明のままだとか。そのため、大塚国際美術館にある複製画は、現存しない名画を鑑賞できる貴重な機会と言えます。
美術史上最大級のミステリーされているこの盗難事件は「ガードナー美術館盗難事件-消えた5億ドルの至宝-」としてNetflixで配信されているそうです。








鳴門海峡を望む庭園は広くて綺麗でした。
大塚製薬を創業した2代目の大塚さんが大塚オーミ陶業の社長時代にオープンしたという大塚国際美術館。ここまで精緻に再現できているとなると、世界の宝を陶板で焼き付けて世代を超えて継承するという側面もありますね。
かつて、中国の景徳鎮や日本の有田焼を積んだオランダ商船がヨーロッパと交易していましたが、途中嵐に遭ってインド洋に沈没した船の荷を、数百年後に引き揚げたところ、陶磁器類は昔のままの色と姿で残っていました。その時代には、陶器はおよそ1,000度で焼いていましたが、現在、我々の美術陶板は1,300度で特殊技術をもって焼くわけですから、1,000年、否、2,000年経ってもそのままの姿で残るに違いないのです。
大塚正士 大塚国際美術館初代館長
想像を超えた素晴らしい体験だったので、彼女とは改めて鳴門に2泊してじっくり来訪しようと話しました。美術が好きな方にはぜひお勧めします!
徳島ラーメン麺王
夏旅Day3は22:30頃に徳島入りだったのですが、23時まで営業している麺王 徳島駅前本店を見つけて徳島ラーメンを頂きました。生卵1個サービスつき。
別名「すき焼きラーメン」とも呼ばれている徳島ラーメンの特徴は甘辛く煮た豚バラ肉と生卵、濃いスープ。家の近所に徳島ラーメンの名店があったのでよく通っていましたが本場で頂くのは初めて。

イメージ通りの味で、改めて「ぱどる」が本格的な徳島ラーメンだったんだなと実感しました。




