今回のセッションでは、組織の改編に伴って真新しい挑戦の中にいる、ある営業マネージャーとの対話を取り上げます。
彼は、最前線で数字を追いかける営業チームの統括と、組織全体の力を底上げする営業管理という、一見相反する二つの重要なミッションを同時に任されていました。プレッシャーに押しつぶされそうになりながらも、自らの時間の使い方と真の役割に向き合った彼の変化のプロセスをご紹介します。
役割の裏に隠された真の期待と向き合う
彼はセッションの冒頭、ただ人がいなかったから自分が2つのチームを兼務することになっただけではないかと少し自嘲気味に話していました。しかし、対話を深めていくうちに、その人事の裏にある組織の本気度が浮き彫りになっていきました。
彼は、既存の組織文化に染まりきっていないフレッシュな視点と、中途採用という独自のバックグラウンドを持った貴重な人材です。組織が彼に求めていたのは、単に目の前の数字を回すことだけではなく、多様なキャリアを持つメンバーの新しいロールモデルとなり、組織に新たな風を吹き込むことだという側面に気づきました。
この組織からの真の期待に彼自身が気づいた瞬間、その表情にはリーダーとしての確かな覚悟が宿り始めました。
時間配分のギャップから見えた主体性のポテンシャル
彼が頭を悩ませていたのは、理想とする時間の使い方と現実のギャップでした。中長期的な組織強化に繋がる管理業務に4割の時間を割きたいと考えながらも、突発的なトラブルや日々の営業対応に追われ、実際には2割程度しか割けていない現状があったのです。
この課題に対して、彼は主に顧客の都合で振り回されがちな営業活動とは異なり、社内向けの管理業務や企画業務は自らの裁量でスケジュールを組み立てられるという大きな利点に気づきました。
状況に応じて柔軟にバランスを変える強さを持つこと、そして何より自分次第でいくらでも変えられる領域があるのだという事実に、彼は大きなポテンシャルを見出していきました。
余白を自ら創り出すための3つの工夫
対話の最後、彼は時間を捻出するために非常に具体的で即効性のある3つのアクションにたどり着きました。これらの小さな工夫の積み重ねが、彼の中にリーダーとしての大きな余白を創り出す確かな一歩となることでしょう。
- 不要な会議の仕分け:漫然と出席していた定例会議を見直し、自分が本当に出るべきか否かを毎朝のルーティンとして判断します。信頼できるメンバーに代理を任せ、後からAIによる要約などで確認すれば十分対応できると気づきました。
- テレワークの戦略的活用:じっくりと戦略を練るような一人で考える系の仕事が多い日には、通勤時間を削減して業務に充てるためにテレワークを選択します。
- 思考のタイムマネジメントと手放す勇気:タスクに対してダラダラと考え続けず、6~7割まで考えたら良い意味で割り切って一度手放すようにします。執着せずに時間を区切ることで集中力を保ち、脳を寝かせることでかえって新しいひらめきを生み出しやすくします。
コーチの視点
今回のセッションを通じて僕が強く感じたのは、多くの優秀なマネージャーが陥りがちな、緊急度の高い仕事に埋没してしまうという罠の存在です。
目の前の数字を追う営業活動は、そのシビアさゆえにどうしても最優先になりがちです。しかし、彼のように組織の未来を変えるための重要な鍵を握っている存在こそ、意図的に立ち止まり、自らのリソースを再配分するマネジメントが必要です。
今回の対話で彼が素晴らしい気づきを得られたのは、自らの役割をやらされている業務から自らの意志でコントロールできる挑戦へと捉え直した点にあります。
忙しさを理由に思考を止めず、明日のスケジュールの1時間をどう使うかという小さな選択にこだわること。この主体的な姿勢の積み重ねが、彼を単なる営業課長ではなく、組織の未来を切り拓くチェンジエージェントへと変貌させていくはずだと感じています。
Two Missions
そんな彼の前向きなスタンスをもとに7曲の楽曲を制作してみました。
[Verse 1]
課長になった春の日
二つのチームを預かった今日の数字を追いながら
明日の組織も育てていく「たまたま任されたんだろう」
そう思っていた僕だけど
そこにはまだ
気づいていない期待があった[Chorus]
2つのミッションには
ちゃんと理由があったんだ誰とも違う道を歩いた僕だから
吹かせられる風がある今日を支えながら
未来も育てていく
それが僕に託された
二つの使命[Verse 2]
会議をひとつ手放して
仲間を信じて任せてみる7割まで考えたら
答えは明日に預けよう少しだけ生まれた余白に
新しい景色が見え始めた[Bridge]
時間は足りないものじゃない自分で選び
創り出せるものその一時間が
未来を変えていく[Chorus]
二つのチームを預かった日から
本当は始まっていた追われる毎日じゃなく
未来を選ぶリーダーへ僕が生み出す小さな余白が
誰かの明日を動かしていくその風を信じて歩いていこう

