定年という人生の大きな節目を前にしたとき、あなたならどのような未来を描きますか?慣れ親しんだ環境で安定した継続雇用を選ぶか、それとも新たな可能性を求めて一歩を踏み出すか、多くのリーダーがこの選択に頭を悩ませています。
今回は、定年を控え、自分自身の本当の望みに向き合い始めた、あるクライアントとのセッションをもとにセカンドキャリアを豊かにするための気づきを紐解いていきます。
現状への違和感と本当に大切にしたい価値観
クライアントは定年を迎えるという人生の節目を前に、心の中にモヤモヤを抱えていました。制度としては65歳まで会社に残る選択肢もあり、収入もある程度は維持されるものの、そこに面白さを感じられないという違和感です。
現在の職場では、利益至上主義や経営層のマイクロマネジメントといった環境が続いており、そこに自分のエネルギーを注ぎ続けることに疑問を感じていました。
一方で、クライアントが仕事の中で明確に楽しさを感じている瞬間もありました。それは、部下や若手メンバーと一緒に何かを達成することや、現場のメンバーと接点を持って成長を支援することです。
取得した育成に関する資格の実践の場を会社から与えられていることには感謝しつつも、本来やりたい人材育成の仕事と、負担の大きいその他の仕事との兼務により、心身のバランスをとる難しさにも直面していました。
理想の未来と人間らしいライフバランス
セッションの中で現在の状況から一度目を離し、65歳になったときの最高の未来を想像してもらうと、クライアントの口からはこれからの人生で本当に大切にしたいバランスが語られました。
それは、本業一辺倒だったこれまでの生活を少し縮小し、社会貢献につながる人材育成やキャリア支援の仕事を半分、そして指導も始めている趣味や高齢になる親と過ごす家族の時間を半分にするという、とても人間らしい調和のとれた生き方です。
これまで多くの時間を会社のために費やしてきたからこそ、これからの10年は単に淡々と仕事をこなすのではなく、やりがいを感じられる領域にエネルギーを注ぎたいという本音が見えてきました。
仕事のウエイトを適切に下げ、本当にやりたいことと私生活の充実を両立させることが、クライアントにとっての幸せの条件であると気づきました。
外の世界への関心とチャレンジへの一歩
これまで大きな組織の中で長く歩んできたクライアントですが、最近、他業界から転職してきた部下のパワフルに活躍する姿を見て、大きな刺激を受けていました。異なる環境から飛び込んできて力を発揮する身近な存在や、趣味や資格のコミュニティで出会う社外の人々との交流を通じて、組織の外に目を向けるようになります。
自分が市場に出たときにどのような価値があるのか、違う会社でチャレンジしてみるのも選択肢ではないか、という思いが芽生え始めていました。
このように、頭の中でなんとなく考えていたモヤモヤを言葉にして誰かに伝えることで、クライアントは自分自身の本当の望みを現実的なビジョンとして捉え直すことができました。できないかもしれないという不安も生まれましたが、それ以上に、自分の将来について真剣に向き合う充実した時間となりました。
コーチの視点
定年という転換期は、これまでのキャリアの延長線上で守りに入るか、それとも自分主体の人生へと舵を切るかの分かれ道です。今回のセッションで印象的だったのは、クライアントが他者からの期待やこれまでの実績に縛られることなく、自分の楽しさやワクワクする感情を基準に未来を模索し始めたことです。
仕事での高い能力があるからこそ、組織からはあれもこれもと求められてしまいますが、セカンドキャリアにおいては、自分がどうありたいかという利己的な視点もより大切になると思います。
今回はそのスタートラインに立ち、理想のライフバランスや外の世界への興味を言語化することができました。次回以降は、このビジョンをさらに深掘りし、クライアントが最もハッピーになれる具体的なアクションを一緒に見つけていきたいと考えています。
まだ、ここから
セッションを振り返りながら制作した楽曲7つ。Jazz, Hard rock, Hawaiian, R&B, Ballad, City pop, Jazzのバラエティに富んだ展開です。
[Verse 1]
気づけば同じ景色を
何度も歩いてきたんだ
積み重ねた数字の向こう
誰かの笑顔も見てきた
だけど胸のどこかでずっと
「これだけじゃない」が鳴っていた
定年という文字じゃなくて
始まりを告げる鐘みたいに[Pre-Chorus]
守るためだけの明日より
少しだけ心が動く方へ[Chorus]
まだ、ここから
人生は書き換えられる
肩書きじゃなく
誰かの背中を押せる人へ
育っていく瞳の中に
私の未来も映っていた
六十歳はゴールじゃない
「やってみたい」が
やっと私を呼んでいる[Verse 2]
また誰かの人生に触れるたび
私も自分と向き合っていた
立ち止まってもいい時間だと
心の声を聞けばいい
埋め尽くした仕事の予定
その合間にできた隙間には
仲間と笑い合う時間
それこそが本当の宝物[Bridge]
変えられない人を
変えようとするより
変えられる未来へ
一歩踏み出せばいい
井戸の中から空を見上げて
初めて風の強さを知るように[Final Chorus]
まだ、ここから
私の物語は続く
育てることも
学び続けることも
誰かの今日を照らすたびに
私も少し自由になれる
半分は仕事
半分は大好きな時間
そんな未来へ歩いていこう
遅すぎるなんて言葉は
今日ここで置いていくから
まだ、ここから。

