「今の会社でこのまま定年まで粘るべきか、それとも新しい道へ踏み出すべきか」と悩む人は少なくありません。安定とやりがいの間で心が揺れ動くのは、誰もが経験するキャリアの分岐点です。
今回は、40代女性のクライアントがセカンドキャリアを模索する中で、自分自身でも気づいていなかった大切な価値観に気づいていくプロセスをご紹介します。
※本人の許可を得て公開しています。
セカンドキャリアへの不安と食べられるかという葛藤
最初は、定年退職後を見据えて「セカンドキャリアに向けた目標設定をしたい」というテーマからセッションが始まりました。
当初は、経済的な安定への不安から「自信がないから60歳まで今の会社で粘った方がいいのではないか」と考え、動き出すことに躊躇している状態でした。平たく言えば「食べていけるかどうか」という現実的な問題が、次のステップへ進むための大きなブレーキになっていたのです。
資格の活用から見えてきた、やりたいこととやりがい
話を深めていくうちに、すでに保有しているキャリアコンサルタントの資格を活かしたいという具体的な方向性が見えてきました。
実際に面談練習などを経験する中で、ただ相手の役に立つだけでなく、自分自身が楽しさや元気をもらっていることに気づきます。ここから、仕事に求めているものが単なる収入だけではなく、本当にやりたいことをやって得られるやりがいへとフォーカスがシフトしていきました。
人間嫌いの裏に隠された人への強い興味と提供したい価値
クライアントはこれまで自分自身を人間嫌いで人付き合いが面倒だと思い込んでいましたが、コーチとの対話を通じて、学生時代に心理学を勉強していたほど本来は人への強い興味があることを思い出しました。
人が嫌いなのではなく、人間関係で傷つき、傷つけられやすいからこそ初対面の人に対して壁を作っていたという気づき。本当は人と関わり感謝されることで、自分は誰かの役に立てたと実感したいという明確な欲求が言語化されました。
自分をすり減らさないための働き方と時間への支配権
自営業だった親が身を粉にして働く姿を見て育った経験から、フリーランスや個人事業主になることへの強い恐怖心があることも浮き彫りになりました。
「ワーク、ワークのみでライフなし」の生活は避けたいという思いの背景には、自分の時間を自分でコントロールしたいという強い価値観があります。組織か個人かという形式ではなく、自分の仕事のやり方を自分で決め、時間に対する支配権を自分が持つことで自分をすり減らさない働き方を本当は大切にしたい、ということが分かりました。
コーチの視点
今回のセッションでは、クライアントの中に存在する「安定したいけれど、やりがいも欲しい」「人間嫌いだと思っているけれど、人と深く関わりたい」「個人事業主は怖いけれど、自分の裁量で仕事がしたい」という一見矛盾するような思いが、1つずつ丁寧に紐解かれていきました。
本人が「すごいわがままなやつだな」と笑ってまとめた条件こそが妥協のない彼女の本心のニーズ。まずはやりたいことや大切にしたい価値観を脇に置かずに自分と向き合ってみたからこそ、本当にハッピーになれるセカンドキャリアの軸が見え始めたセッションでした。
Beyond Safe Shores
今回のセッションをベースに、4つの様々なジャンルの楽曲に仕上げました。
[Verse 1]
六十まではここかなって
何度も自分に言い聞かせた安定という名の傘の下で
雨を避けながら歩いてただけど心のどこかでずっと
違う景色を見てみたかった資格の名前じゃなくてきっと
探してたのはその先だった[Pre-Chorus]
食べていけるかな
失敗したらどうしようそんな不安を並べながらも
消えなかった灯りがある[Chorus]
まだ知らない私へ
本当は誰かの未来を
照らすことが好きだった「ありがとう」の一言で
胸が少し熱くなる人が苦手だと思ってたのに
人の話を聞く時間が好きで遠回りして気づいたんだ
私は人に興味があった[Verse 2]
[Rap]
傷つくことが怖かったから
先に壁を作っていた期待してしまう自分ごと
閉じ込めるようにしてただけど出会ったたくさんの声は
思ったよりもあたたかくて役に立とうとしたはずなのに
元気をもらったのは私だった[Bridge]
お金も欲しい
自由も欲しい感謝もされたい
時間も守りたい欲張りだねって笑うけれど
それはきっと
私らしく生きたいだけ誰かの正解じゃなくて
私の答えを探したい[Chorus]
まだ知らない私へ肩書きなんてなくてもいい
誰かの背中を押せるなら
そこに意味は生まれるから働くことは生きることで
生きることは誰かと出会うこと怖さごと抱きしめながら
次の扉を開けていこう[Outro]
六十歳はゴールじゃなくて
きっと未来への通過点少しずつ輪郭を帯びていく
まだ知らない私へ
会いに行こう。

