昇進直後の不安は、具体的な行動の積み重ねによってのみ本物の自信へと変わるもの。
今回のセッションでは、新任課長に就任して1ヶ月半が経過したクライアントが、困難な案件を通じていかに自身の役割を再定義したのかを紐解きます。
組織の結節点として周囲を巻き込み始めた彼が見出したリーダーとしての新しい景色とはどのようなものだったのでしょうか?
※本人の許可を得て公開しています。
インプットからアウトプットへの劇的な変化
4月に課長に昇格して以来、クライアントは当初、年上の部下への接し方や、情報のインプット過多に悩んでいました。
しかし、前回のセッションで「意識的にアウトプットを増やす」というアクションプランを立てたことで、大きな変化が生まれました。
具体的には、コスト削減のみが求められていた案件に対し、AIを活用したマーケティング的な付加価値提案を自ら発信したのです。
この主体的な働きかけにより、利害が対立しがちだった2つの組織が同じ方向を向くという目に見える成果を勝ち取りました。
組織のど真ん中に立つ覚悟とPMO的役割の発見
セッションの中で、クライアントは現在直面している非常にタイトなRFI(情報提供依頼書)対応案件について語りました。
この案件は、顧客窓口である組織A、ソリューションを担う組織B、そして自身のチームという上下左右が複雑に絡み合う構造でした。
対話を通じて、クライアントは自分が単なる橋渡し役ではなく、組織のど真ん中に位置し、様々なプロジェクト全体を牽引するPMO(プロジェクト・マネジメント・オフィス)的な役割を期待されていることに気づきました。
自分の立ち位置をこうした形で客観的に認識できたことにより、彼のリーダーとしての責任感がより強固なものに変化したように感じました。
階層を動かす巻き込みの技術
短期間で成果を出すために、クライアントは自分一人で抱え込まないという戦略を明確にしました。
まず、直属の部長に案件のポイントを丁寧に説明し、関連組織の部長レイヤーでの合意形成を依頼するという上への巻き込みを具体化しました。
また、部下に対しては、全てを任せきりにするのではなく、非定型なタスクを完遂するための補助線を引くような関わり方を重視することに決めたのです。
このように、自分のキャパシティを冷静に見極めたうえで、上下左右のステークホルダーを適材適所で動かす術を見出し始めました。
成果の先にある信頼と成長
クライアントにとって、今回の案件の成功は単に期日通りに回答を提出することだけではありません。
彼は、この挑戦を通じて部下に成功体験を積ませること、そして組織内外との信頼関係を構築することが真の成功であると定義しました。
プレッシャーのかかる場面を腕試しのチャンスと捉え直し、月曜日の打ち合わせに向けた論点整理という具体的な第一歩を踏み出す決意を固めました。
コーチの視点
4月、セッション開始直後の彼は、新任課長ゆえの漠然とした不安を抱えているように見えましたが、対話を重ねるごとにその表情は引き締まっていきました。
特に、自分が組織のど真ん中にいることを客観視できた瞬間、迷いが確信に変わったのが印象的です。周囲の期待を正しく理解し、泥臭い調整さえも自分の価値発揮の場として前向きに捉える姿勢には、すでにリーダーの風格が漂い始めています。
この案件をやり遂げた時、彼は組織にとって欠かせない信頼のハブとしての自信を手に入れて、確実に課長としての自覚を深めていくことでしょう。
Standing at the Front
彼の今回の気づきをもとに制作した楽曲を4曲プレゼントしました。
[Verse 1]
会議室のガラスに映る
疲れたスーツ姿
肩書きだけ先に走って
心はまだ追いつかない「課長なんだから」
その言葉が胸に刺さる
年上の部下の前で
正しさばかり探してた[pre chorus]
波風立てないことなら
ずっと得意だった
でも沈黙のままじゃ
何も変わらない夜があった[Chorus]
あの日 沈黙を破った
完璧じゃなくても
「削減だけじゃない」って
未来の話をしたんだぶつかる意見の真ん中で
初めて自分の言葉を使った
怖かった でも確かに
景色が少し動いた[Verse 2]
短すぎる期限
鳴り止まない通知
「間に合うのか?」って不安が
深夜のデスクに残る守りたい現場がある
でも全体も見なきゃいけない
簡単に“NO”を言えない場所で
落としどころを探してた[pre chorus]
その時やっとわかった
リーダーは強い人じゃない
揺れながらでも
前に立つ人なんだ[Final Chorus]
まだ名前のないリーダー
自信なんてまだ途中
受け身だった昨日より
今日の自分を選びたい誰かの正解じゃなく
自分の視点で話すこと
その小さな覚悟が
周りを動かしていく[outro]
肩書きに追いつくんじゃない
踏み出した分だけ変わる
不安を抱えたまま
今日も矢おもてに立っている


