課長就任から約3週間が経過したクライアントとの2回目のセッションを振り返ります。現場の荒波にもまれながら、自らのリーダーとしての軸を見出そうと奮闘する彼の変化をまとめました。
※本人の許可を得て公開しています。
現場の圧倒的な情報量とタイムマネジメントの壁
クライアントは現在、2つのチームを兼務しており、就任当初に比べて急増した情報量に圧倒されていました。Outlookの予定表がメンバーとの面談や関係部署との打ち合わせで埋め尽くされ、自身でじっくり考える時間が取れないことが大きな課題となっています。
動きながら考えるスタイルへの適応を模索しつつも、多忙な日々に流されず、リーダーとしての「あり方」を固める必要性を強く感じていました。
理想の課長像は信頼され、背中を見せられる専門家
セッションを通じて、彼が目指すありたい姿が言語化されました。それは、チームの方針を明確に示し、メンバーから信頼され、かつ話しやすい存在であることです。
また、管理業務に特化するのではなく、自身の営業としての専門性やスキルも磨き続け、顧客の部長層からも一目置かれる「頼れる上司」でありたいという強い願いを持っていました。部下の成長を引き上げるため、適切な難易度の仕事を割り振り、困難な局面で道筋を示せるリーダーこそが彼の理想です。
ベテラン部下との信頼関係と自分の言葉で語る覚悟
特に大きな課題は、年上の部下やキャリアの長いベテランメンバーとの接し方でした。
彼は、上層部からの指示をそのまま伝えるのではなく、一度自分の中で噛み砕き、責任を持って「自分の言葉」で語ることの重要性を再認識しました。
単なる知識の量で対抗するのではなく、誠実に物事を考え、いざという時に尻込みせずに判断を下す「度胸」を見せることが、ベテラン層からの信頼を勝ち取る突破口になると気づいたのです。
インプットからアウトプットへ:仮説をぶつける挑戦
これまでの3週間は情報の収集というインプットが中心でしたが、これからは不完全であっても自分の意見や仮説を周囲に発信していくアウトプットにシフトすることを宣言しました。
大規模な重要案件においても、部下に任せきりにするのではなく、自ら議論をリードし、提案の方向性を打ち出していくことに挑戦します。失敗を恐れて守りに入るのではなく、あえて殻を破って一歩踏み込むことが、リーダーとしての自信を築く鍵となります。
コーチの視点
新任リーダーが直面する最大の壁は「正解を求めて動けなくなること」です。今回のクライアントも、知識不足や経験の浅さを気にするあまり、無意識にアウトプットへブレーキがかかっていました。
しかし、リーダーへの信頼は「完璧さ」ではなく「逃げずに判断し、誠実に言葉を尽くす姿勢」から生まれます。自分の仮説を当ててみるという具体的なアクションは、リーダーとしてのアイデンティティを確立する上で非常に強力な一歩となるはずです。
次回のセッションで、彼の「踏み込んだ一歩」からどんな変化が生まれたのかを聴くのが今から楽しみです。
しとしと春雨が降る少し肌寒い夜のセッションの余韻を感じながら、大人の東京をイメージした3曲を贈りました。
[Verse 1]
埋まっていく予定の中で
考える時間は削られて
「課長」という名前だけが
少し先を歩いている年上の背中 距離を測って
言葉を飲み込むたびに
“尊敬”のはずがいつの間にか
ただの遠慮に変わってた[Chorus]
もう逃げないと決めたんだ
不完全なままでいいから
自分の言葉で示していくかっこ悪さも抱えたまま
ここに立ち続ける
その一歩が この先の
信頼をつくるから[Verse 2]
まずは全部 知りにいく
過去の経緯も 関係も
点だったものを線にして
自分の中でつなげていくわからないまま引くんじゃなくて
わからないから踏み込む
その姿勢ごと見せていく
ここから変えていく[Pre-Chorus]
タイミングは逃さない
迷っても前に出る
その場に立つのは 自分だ[Chorus]
役割だからじゃなくて
自分で選んで動くんだ
このチームの未来のために全部できなくていい
でも背中は見せられる
選び続けたその先に
信頼が生まれるなら[Bridge]
メンバーには少しだけ
背伸びする仕事を渡す
届きそうで届かない距離を答えは渡さない
道筋だけ照らす
隣で一緒に考えながら引き上げるって
そういうことだと決めた[Final Chorus]
僕は今 舵を握る
未完成のままで進んでいく
自分の言葉で 方向を示す頼られる日を待つより
頼れる自分を選び続ける
その積み重ねの先できっと確かな
信頼に変わるから

