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PancakeSwap v3で年利50%超運用する方法

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タイトル画像はStable Diffusionで作成しました。背景の紙幣の大きさがバグっているのはご愛嬌。

2023/4からDeFi(Decentralized Finance)の代表的な1つであるPancakeSwapがv3にバージョンアップしました。

競合するUniswap v3がBUSL-1.1(Business Source License 1.1)からGPLライセンス(General Public License)に移行したことに伴い、そのソースコードをベースにPancakeSwapのv3がリリースされたという背景があります。

v3で実装された新サービスを利用して年利50%超で運用する方法をメモ。

DeFiは、「分散型ファイナンス」(Decentralized Finance)の略語で、中央集権的な金融機関を必要とせず、ブロックチェーン技術を活用した分散型の金融サービスを提供するエコシステムを指します。DeFiのサービスは、スマートコントラクトと呼ばれる自己実行型のコードによって実現されます。この技術により、借入、貸出、トレード、ストレージ、保険、決済など、様々な金融サービスを分散的かつ透明に提供することができます。DeFiは、中央集権的な金融システムに対するアルターナティブとして注目を集めており、今後ますます発展していくことが期待されています。

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通貨間の両替をDeFiで実現すると…

銀行で円から米ドルに両替する際には何%かの手数料を載せたレートが適用されます。銀行は両替するために多額の米ドルを準備しておく必要があり、その為替リスクを負っているため手数料を取るわけです。

DeFiでは通貨間の両替は人手を介さずにネット上のプログラムで自動的に実行されます。通貨Aを通貨Bに両替したい人は、DeFiのサイト上で通貨Aの両替希望額を入力すると両替後の通貨Bの価格が表示され、刻々とリアルタイムで更新されます。確認ボタンをクリックするだけで瞬時に両替が完了し、手数料も自動的に決済完了です。

CAKEからBNBへの両替

DeFiでは自分が銀行の立場にもなれる

DeFiの面白いところは、この両替サービスを利用者として使うだけでなく、自らが資金を提供する側にも立つことができ、手数料収入を得ることができる点にあります。

例えば、冒頭の円と米ドルの例だと、一定額の円と米ドルをまとめて預けることで、この資金プールの提供者が両替手数料を得ることができるイメージです。

PancakeSwap v3では両替サービスのスキームを自分で設計できる

更に、PancakeSwapのv3では、この両替サービスの商品性をサイト上で簡単にシミュレーションし、商品設計した上ですぐに実運用に提供できます。

銀行では外国為替取引の専門家が複雑なシミュレーションを行い、それを実現するためのシステムを設計・構築して…というプロセスを経て初めてこうした商品が提供されますが、DeFiでは個人がものの数クリックで瞬時にシミュレーション、商品設計からサービス提供まで実施できてしまいます。

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両替サービスで年利50%超?

現在、一般的な銀行の普通預金金利は0.001%、大口定期(1,000万円以上の標準金利)の10年運用でもたったの0.002%です。つまり、100万円を10年間預けても年間20円しか利息がつかないということ。ほぼゼロ金利ですね。

しかし、DeFiは人手を介さずにネット上のプログラムで自動実行されるため、従来の銀行とは比較にならない低コスト構造であり、商品設計によっては高い金利のサービスも実現可能。

例えば、CAKEとBNBいう2種類の暗号資産を両替するためのサービスを考えてみます。どちらも市場で多く流通している暗号資産であり、両通貨間での両替ニーズは大きいため、手数料も多く発生します。

時価時価総額(順位)1日の流通額1日の流通額(円)
CAKE$3.65$696M (#74)$53M69億円
BNB$313.18$49.4B (#4)$436M567億円
※1ドル=130円で換算

DeFiでは通貨ペアを作成することで流動性を提供でき、その証としてLiquidity Provider Token(LPトークン)が発行されます。このLPトークンを保有することで上記の例だとCAKEとBNBを金利収入のような形で得ることができます。

また、PancakeSwapではこのLPトークンを預けることで更に預金金利のようにCAKEがもらえます(Yeild Farming)。この2種類の金利により暗号資産を運用できる仕組みです。

2通貨間の価格差に応じて金利が決定

PancakeSwap上で両替サービスを提供する時、ポイントとなるのが2つの通貨間の価格差です。

通貨Aに対して通貨Bの価格が今後どう変動するか?を予測し、そのレンジ内で両通貨の価格が推移すれば金利収入が得られる、というのが商品設計の基本となります。

例えば、1 CAKEの価格がBNBに対して±3%のレンジ内で推移する場合のシミュレーション結果は以下のとおり。

年利は71.3%と驚異的な値です(月次で複利運用した場合)。週次で複利運用した場合の1ヶ月のシミュレーション結果は以下のとおりです。

仮に10,000ドル(130万円)を預けた場合、月に595ドル(約77,000円)になります。

一般的に暗号資産の価格変動は大きいため、その分、通貨間の両替サービスを実現するためには相応のコストがかかり、得られる金利も大きくなります。

上記のCAKEとBNBは、価格のトレンドの相関が比較的高いため、±3%のレンジ内で価格推移する期間はそれなりに期待できます。実際に、CAKEの30日間の変動履歴を見てみるとおおよそ圏内で推移していました。

直近30日間のCAKEの価格推移

急激な価格変動時は商品設計をやり直し可能

もし、どちらかの通貨が急騰・急落して価格差が設定したレンジ外になった場合は、その期間は金利収入が得られません。ただし、価格が再びレンジ内に戻った場合は自動的に金利が発生します。

特に留意すべきは、以下のような通貨間での急激な自動バランシングに伴うインパーマネントロスです。

例えば、通貨Aが通貨Bに対して下落した場合は自動的に通貨Bを売却して通貨Aを購入する「ナンピン買い」が自動実行されるため、提供した資金プール内の通貨ペアの内訳は刻々と変化します。もし、通貨Aが急落/通貨Bが急騰してレンジ外になった場合は、提供した資金プールは全額通貨Aとなり、逆に通貨Aが急騰/通貨Bが急落してレンジ外となると全て通貨Bになります。

In V3, liquidity providers can configure their positions to only provide liquidity when the price is within a certain range. If the trading price moves out of the range, the position will consist of only one type of token in the pair and become inactive.

Inactive liquidity positions will not participate in trading or earn any trading fees.

PancakeSwap

この両替サービスは定期預金のような期間の縛りはないため、DeFiに貸し出した通貨ペアはいつでも解除したり、新たな通貨ペアを登録することができます。ただし、単一通貨となってしまったものをSWAPして2つの通貨ペアにする場合や通貨ペア解除、新たなペアの登録には手数料がかかるため頻繁にレンジを見直すのは得策ではありません。

なお、今後のバージョンアップでは価格がレンジ外になった場合に自動的にレンジを再調整し、1クリックで流動性を提供する機能が提供される予定とのことです。こうして次々と新サービスが提供され続けるのがDeFiの面白さだと思います。

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まとめ

DeFiは高利回りのポテンシャルがある一方で、DeFiがハッキングされるリスクがあり、暗号資産は価格の変動が大きい等の各種リスクが大きいため、最悪ゼロになっても許容できる余裕資金で運用することが肝要です。

株式運用を始めると経済の動きに敏感になるように、DeFiでの運用を体験してみるとWeb3の世界観が腹落ちします。テクノロジーの進化とともにDeFiはよりセキュアに洗練されていき、従来型の金融機関との競争が現実化していくことでしょう。

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