音楽いま思うこと

はじめから世界を目指すNiziUは日本からは生まれなかった

スポンサーリンク
音楽
スポンサーリンク

夏休みのある日、たまたまネット上で見かけた1つの記事を読みました。

今年1月からHuluなどで配信され、多くの視聴者を魅了した日韓合同オーディション「Nizi Project」(虹プロ)。応募者約1万人から9人が選出されて「NiziU」が誕生し、11月に正式デビューを控えている。主役たちに負けず劣らず注目を浴びたのが、総合プロデューサーであるJ.Y.Park氏(48)だ。その人気ぶりは「世界最高の上司」とも称されるほど。一体、何がそんなにすごいのか。

 本名は、パク・ジニョン。1997年に韓国の大手芸能事務所であるJYPエンターテインメントを創設し、総合プロデューサーとして2PMやTWICEなど、多くの人気アーティストを育成、輩出してきた。

「現役バリバリのアーティストである点で、他の有名プロデューサーとは一線を画しています」

 韓国芸能界に詳しいライターのK-POPゆりこ氏は、歌って踊れ、弾き語りなどもこなす彼の特異性を指摘する。

Yahoo!ニュース「NiziUの生みの親「J.Y.Park」にみる型破りなプロデューサー像 「秋元康」や「つんく♂」との決定的な違い〈dot.〉」

今までK-Popには興味がなく、何の知識もありませんでしたが、Parkさんの同世代として「どんなオジサンなんだろう?」と興味を持ったのがきっかけ。

検索してみると、Hulu等で配信されていたオーディション番組がYoutubeで公開されているのを発見し、軽い気持ちで初回の[Nizi Project] Part 1 #1-1を観てしまったのでした。

スポンサーリンク
スポンサーリンク

Nizi Project概要

10都市で開催されたオーディションに参加したのは何と10,000人。各都市での地域予選の模様から番組は始まります。

歌とダンスの実技で一次審査、二次審査をパスし、三次審査まで進むと、Parkさんに審査してもらえます。

2019年7月中旬より、日本国内8都市(札幌、仙台、東京、名古屋、大阪、広島、福岡、沖縄)、ハワイ、LAを含む全10箇所でグローバル・オーディションを開催。応募者は1万人超。3次審査では、総合プロデューサーJ.Y. Park (パク・ジニョン) が直接審査し、合格者を26人、選抜。

26人の合格者は、日本(東京)で4泊5日の合宿トレーニングに参加し、その中からデビューのための(韓国へ行く)メンバーを選抜。Nizi Project パート1では、地域オーディションから東京合宿の模様を放送した。第10話(2020年3月27日放送回)にて韓国へ行く14人が決定(うち1人は辞退)。

その後、韓国・JYPトレーニングセンターにて6ヵ月間デビューに向けた練習を行い、最終デビューメンバーを選抜する。パート2第10話(2020年6月26日放送回)にて最終デビューメンバー9人が決定し、グローバルガールズグループNiziUとして2020年秋にデビュー予定。

Wikipediaより

ここまでは今までにもよくあるパターンの番組なのですが、僕が惹きつけられたのは何と言ってもJ. Y. Parkさんの才能、キャラクター、そしてオーディション合格者の成長ぶり。

スポンサーリンク

J. Y. Parkの才能

僕は、毎年、新卒採用の面接官として学生と面談しています。今年はコロナで完全オンライン面接だったため、なおさら感じましたが、限られた時間内で相手のポテンシャルを評価するというのは非常に難しいことを実感しています。

この番組では、Parkさんは1万人を対象としたオーディションの中からプロデビューさせるダイヤの原石を見つけ出し、磨いていきます。プロデューサーとしての彼の才能、実力は超一流で、その内容は企業における新卒採用や人材育成にも通じるポイントが多数ありました。

隠れた素質や伸びしろを見極める眼力

まず驚いたのが、Parkさんの人を見る目の鋭さ。いちど歌とダンスを観ただけで、その子の能力を的確に見抜く力が半端ないのです。しかも、ただ歌やダンスの上手さだけを評価するのではなく、隠れた素質や伸びしろまでをも見抜く力が凄い。

可愛くて、歌やダンスが上手な子は沢山いますが、その中でも彼は独自の嗅覚と価値観で合格者を決めていきます。中には一見冴えない感じの子もいて、素人目には何でこの子を選ぶのだろう?と思うのですが、番組の中でレッスンを積んでいく中で大化けする子も出てきます。

その眼力のベースには、「飾りではない本質」を見ようとする姿勢。後からレッスンすれば身につけられる技術は脇に置いて、その人でなければならないユニークな魅力を徹底的に見極めようとする姿勢が伝わってきます。

また、審査中に彼の表情がときどき映るのですが、これがとっても分かりやすい。満面の笑みを浮かべてノリノリで見ている時もあれば、非常に険しい表情で見つめるときも。こうした飾らない姿が魅力的です。

絶妙なモチベーションのコントロール

韓国では選抜された14名の合格者が半年間、合宿生活をしながら、歌とダンスのレッスンをひたすら受ける毎日。個人での審査やチームでの審査が続きます。

この過程で個人別の順位を定期的に発表するのがエグいのですが、一人ひとりの成長ぶりや性格等を加味して、慢心しそうな子にはあえてお灸を据えたり、自信を失くしかけている子に高順位を与えて鼓舞したり、このバランス感覚が絶妙です。

また、独特なのが彼の哲学。歌やダンスが上手いだけではダメで、人柄の評価を重視するのがポイントです。日々のレッスンを通じて候補者達の素を見ているトレーナーに日常での態度や振る舞いを評価させて、その結果を総合評価に反映する仕組みも。

一人ひとりを見ながら的確なフィードバック

単なる敏腕プロデューサーというだけではなく、自らが第一線で活躍している歌手でありダンサーでもあるため、評価するだけでなく時には自らやってみせて個々人に的確なアドバイスを与えることができます。

本人が気づけていない長所や短所を的確に見抜き、分かりやすい言葉で伝える力。相手に合わせて、英語は不自由なく話せるほか、この番組のために勉強したという日本語も上手に話します。

スポンサーリンク

合格者たちの成長ぶり

中2の娘に第一回の番組を観せたらすぐにハマってしまい、一緒に見始めることに。

中には練習生として本格的なレッスンを1年以上受けている子もいますが、多くは趣味でダンスや歌をしていた程度。多くは中学生、高校生、娘の世代です。

そんな子たちが親元を離れて、半年間、韓国で合宿生活をしながらプロのレッスンを受けて成長していく姿が毎回、番組で紹介されます。

周囲の子たちと常に競争にさらされながら、時には自分の才能に自信が持てなくなったり、スランプに陥ったりする中で、自分を信じて切磋琢磨し、回を追うごとに驚くほどの成長を遂げていく参加者たち。

また、ただ競争心から成長するのではなく、メンバーが協力し合いながら成長していく姿が印象的です。これは単なる個人戦ではなくチーム戦の要素が入っていたり、慣れない海外の地で半年間も家族と別れて一緒に合宿生活を送る中で自然と助け合う環境になっていることも大きいでしょう。

オーディション当初はその辺にいそうな普通の女の子たちですが、半年間の韓国合宿を経て、番組が終わる頃には誰が選ばれてもおかしくないレベルまで到達します。でも、最終的にメンバーになれるのは9人という厳しい現実。

夏休みの間、毎日娘と一緒にずっと見続けた結果、気がついたらパート1、パート2のそれぞれ10話をすべて観てしまいました。

スポンサーリンク

NiziUとして秋にプロデビュー

リアルタイムでは6月末に最終メンバーが選抜された回が放映され、7月にプレデビュー。

6月26日 – Nizi Projectから、メンバー9人が選出。
6月30日 – プレデビューし、デジタルミニアルバム『Make you happy』を日韓同時リリース。翌7月1日には、全世界でリリースされた。
7月3日 – 『Make you happy』が国内音楽配信サイトで64冠、MVは2000万回再生突破。また、7月16日には全世界音楽配信サイトで109冠、MVは5000万回再生突破。8月31日にはMV公開からわずか2ヶ月で1億回再生突破した。
秋(11月予定) – 正式デビュー予定。

Wikipediaより

まだ正式デビュー前なのに、既にプレデビュー曲『Make you happy』がYoutubeで1億回以上、再生されているというのは驚きです。

メンバーは全員日本人ですが、MVを観ると曲調や映像がK-Pop調で、明らかにマーケットは日本だけでなく、最初からアジア、世界を見据えていることが伝わってきます。

実際に動画へのコメントを読むと英語や韓国語のものも数多くあり、日本人だけでなく、アジアや世界で注目されていることが窺えます。

こうした視座、目標設定と具体的なノウハウは日本のプロデューサーは残念ながら持ち合わせていません。

日本のSony Musicと韓国のJYPエンターテインメントが合同でプロデュースするNiziUが今後どこまで人気を伸ばせるか、子供の成長を見届ける親の気持ちで応援します。

おまけ:Make You Happyのアレンジで一番好きなバージョン

スポンサーリンク
スポンサーリンク
シェアする
takekuraをフォローする
ロサンゼルスMBA生活とその後